バルセロナ発--スマートフォン向けOS分野での復活と、AppleやGoogleなどのライバルに対する競争力強化を目指すMicrosoftは、Mobile World Congressで待望の「Windows Mobile 7」を披露すると見られている。
複数の報道によれば、Microsoftは現地時間2月15日に当地で予定されている記者会見で、Windows Mobile 7のデモを行うという。Microsoftが同イベントでWindows Mobile 7に言及する計画だというニュースは、1月下旬にCNETのIna Fried記者が報じた。
この新OSに関する詳細は、まだほとんど明らかになっていないが、The Wall Street Journal(WSJ)の13日の報道によれば、ユーザーインターフェースはMicrosoftの「Zune HD」音楽プレーヤーに酷似したものになるという。
Microsoftはスマートフォン分野の世界市場において大きなシェアを保持しているが、ここ数四半期は、AppleやGoogle、Research In Motion(RIM)といったライバルの台頭によって、シェアを縮小させている。
RIMは「BlackBerry」デバイスを製造し、Appleは同社ハンドセットのハードウェアとソフトウェアの両方を設計している。「Android」ソフトウェアを携えてモバイル市場へ参入したGoogleは、Microsoftと同様に、複数のハードウェアメーカーにソフトウェアを供給している。そんなGoogleは先頃、HTCが製造した携帯電話「Nexus One」を発売した。Googleは単にソフトウェアを供給するだけでなく、HTCと密接に連携して、Nexus One自体のマーケティングと販売も行っている。
MicrosoftもWindows Mobile 7で同様の戦略を採用するのではないか、と考える人もいる。Microsoftが単一のWindows Mobile 7搭載スマートフォンを発表する可能性は低いが、同社がハードウェア企業とこれまでより密接に連携しているのは明白だ。WSJの報道によれば、Microsoftはハンドセットメーカー数社を対象に、デバイス構築に役立つ詳細な計画を策定したという。Microsoftの狙いは、Windows搭載携帯電話の品質を一定の水準に保つことである、とWSJは報じた。これによって、開発者がWindows搭載携帯電話向けに新しいアプリケーションを記述するのも、容易になるはずだ。
MicrosoftがWindows Mobile 7搭載携帯電話のハードウェアを実際に製造することはないと見られているが、CNETやそのほかのメディアは、Microsoftが若者市場向けにT-Mobileの「Sidekick」の後継となる携帯電話設計に取り組んでいると報じた。Sidekickは、Microsoft が2008年にDanger買収の一部として手に入れたデバイスだ。
WSJによると、「Pink」というコードネームが付けられたこの新デバイスは、Mobile World Congressでは発表されないという。しかし、WSJはこの携帯電話に関して、匿名の情報筋による詳細な情報を掲載した。新デバイスはソーシャルネットワーキングアプリケーションに主眼を置いたものになり、日本のシャープが製造を担当する予定である。2010年春より、Verizon WirelessとVodafone Groupが世界市場で販売を開始する見通しだ。
Microsoftのプレスカンファレンスは現地時間15日午後3時よりバルセロナで開催される。
この記事は海外CBS Interactive発の記事を朝日インタラクティブが日本向けに編集したものです。 原文へ
CNET Japanの記事を毎朝メールでまとめ読み(無料)
ZDNET×マイクロソフトが贈る特別企画
今、必要な戦略的セキュリティとガバナンス
ものづくりの革新と社会課題の解決
ニコンが描く「人と機械が共創する社会」
「程よく明るい」照明がオフィスにもたらす
業務生産性の向上への意外な効果