ただし、これはウェブ上でFlashがどれだけ多く使われているかというだけの話ではない。HTML 5とそれに関連するテクノロジは急速に発展しているが、ブラウザのサポートと同時並行で発展しているために、不完全でありながらも実際的な価値を持って登場している。しかし多くの開発者は、2010年かおそらくそれ以降に事態が落ち着くまで、傍観する可能性が高い。
数年間にわたるHTML標準化の混乱ののち、Apple、Opera、Mozilla Foundation、そして最近ではGoogleといったブラウザメーカーは、ウェブ標準の新しい方向性を打ち出している。
HTML 5で最も目につく側面は、おそらくオーディオとビデオの標準サポートだろう。しかし、そのほかにも策定中のHTMLの機能がある。アプリケーションが利用できるようにデータをコンピュータへ保存することや、周期的に更新をブラウザにプッシュするためのWeb Sockets、ウェブプログラムが複数のタスクを同時に行うためのWeb Workers、より良い2DグラフィックスのためのCanvasなどだ。
「Open Web」の旗印の下で行進しているこれらの企業は、同時に、ウェブ上の3Dグラフィックスを高速化するWebGLのような新しい標準を作ったり、CSSやウェブフォントを利用したより良いタイポグラフィーを可能にしたり、SVGなどほかの標準のサポートを強化したり、ウェブベースのプログラムを記述するためのJavaScriptの性能を向上したりしている。
Microsoftはここ10年間のブラウザ開発運動にほとんど参加せず、Flashのライバルである「Silverlight」の普及に努めているが、そのMicrosoftでさえもこの動きに関与し始めている。同社は、ウェブ標準に関心があることを誓っており、ここ数カ月はHTMLとSVGの開発に従事している。「Internet Explorer(IE)」チームのシニアプログラムマネージャーPatrick Dengler氏は、MicrosoftのSVGへの取り組みについての1日のブログ記事で「肯定的な反応が圧倒的だ」と述べている。
AdobeのプロプライエタリなFlashソフトウェアには、哲学的な反対に加えて、現実的な不満もある。クラッシュだ。Mozillaが「Firefox」の新しい「Lorentz」バージョンを出そうと急いでいるのも、それが主な理由だ。このバージョンでは、プラグインの問題がブラウザ全体に及ばないように、プラグインが別のコンピューティングプロセスに分離される。
実際に動作している新しい例の1つが、このブラウザアプリケーションだ。これは、画像をブラウザにドラッグすると、その画像をローカルのコンピュータに保存し、さまざまな編集機能を提供し、サイズを小さくして、Twitterのログイン情報を使ってTwitpicにアップロードする。さらに例を挙げれば、CSSでアニメーションする「スター・ウォーズ」のAT-ATウォーカー、JavaScriptで再構築された「Windows 3.1」、Canvasを使用した一人称ギフターゲームなどがある。
一方、Flashと縁を切った現実のサイトもある。例えば、iPhone向け「Google Voice」アプリケーションはブラウザ内で動く。
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