三洋電機は、2010年3月期第1四半期〜第3四半期(2009年4月〜12月)累計の連結決算を発表した。価格下落などのマイナス要因はあるものの、電化製品は9年ぶりに黒字化を確実にするなど、回復基調を示した。
黒字化が確実視される電化製品では、炊飯器の「おどり炊き」、電動ハイブリッド自転車などの高付加価値モデルが堅調に推移。売上高は前年比12.7%減の4735億円にとどまったが、営業利益では同122億円増益の129億円となった。
三洋電機代表取締役副社長の前田孝一氏は「コンシューマー部門は、第3四半期のみで見ると大幅に改善している。カーナビの売り上げ回復による大幅な増益があったほか、北米ではテレビの販売台数が増加した」と話す。
主力商品である電池関連では、二次電池がノートPCだけでなく、携帯電話ジャンルにおいても需要を回復。単価下落が続いていることもあり、第3四半期の売上高は、前年同期比9.8%減の713億4300万円となった。ただし「直近の3カ月は前年並みに戻ってきている」(前田氏)とのことで、数量ベースでは前年を上回っているとした。
新規買取制度の導入などの後押しがあった太陽電池は、国内の需要が好調とのこと。一時落ち込みを見せた海外市場も回復基調にあるという。
また前年に大きな落ち込みを見せた半導体、電子部品は「光ピックアップの回復が顕著。回復途上にあると言える」(前田氏)とコストダウンや構造改革の成果が出ていることを裏付けた。
しかし、第1〜第3四半期累計の売上高は前年比2226億円減額の1兆2116億円、営業利益は同109億円減額の199億円、純利益は同631億円減額の447億円の赤字と厳しい状況が続いている。また、「第4四半期も厳しい経営環境になる」(前田氏)とし、通期の業績予想は2009年10月の発表から再度下方修正した。
売上高は前回予想時から600億円減額の1兆6000億円、営業利益は250億円を据え置いたものの、当期純利益は140億円減額し、360億円の赤字とした。
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