Amazonは米国時間1月31日、電子書籍に対して14.99ドルという価格は「不必要に高すぎる」と今でも考えているが、Macmillanによる同社書籍の電子版を、9.99ドルというAmazonの通常価格よりも高い価格で販売したいという要求に応じざるを得ないだろうと述べた。
Amazonは今回の発表に先立ち、電子書籍の価格をめぐるMacmillanとの論争に伴い、AmazonのウェブサイトでMacmillanの書籍の販売を一時的に停止していた。Macmillanを含む複数の出版社がAmazonに対し、同社ウェブサイトの電子書籍の販売価格を引き上げることを求めていた。Amazonは、9.99ドルを超える価格は高すぎるという自社の主張を固持していたが、それも今日までだったようだ。
Amazonの声明には、「われわれはMacmillanのすべての書籍の販売を一時的に停止することにより、強い反対の意志を表明し、その意志が真剣であることを示してきた」と記されている。「しかし結局のところ、Macmillanは同社書籍に対する権利を独占的に所有しており、電子書籍として不必要に高価すぎると感じるとしてもその書籍を読者に提供したいため、われわれはMacmillanの条件に従い、それを受け入れざるを得ないだろう」(Amazonの声明)
Macmillanの書籍は今後、Amazonのサイトに復活する予定である。そしてAmazonは、ベストセラー書籍とほとんどのハードカバー書籍の電子版を、12.99〜14.99ドルの間で販売する予定である。復活時期については明らかにされなかったが、31日午後の時点では、Jeffrey Eugenides氏の「Middlesex」、Ishmael Beah氏の「A Long Way Gone」、Michael Chabon氏の「The Amazing Adventures of Kavalier & Clay」など、Macmillanの最も売れている書籍はまだ、Amazonのウェブサイトにおいて別の業者からしか提供されておらず、Amazonから直接購入することはできなかった。
Amazonの声明からは、同社の慎重な立場が垣間見られる。消費者に対し、低価格の電子書籍販売業者とみなされたいと思う一方で、すべての大手書籍出版社と契約を交わすことができなければ、一部の書籍しか消費者に提供できなくなってしまうというリスクを抱えている。
現在、Amazonが声明で述べているように、「ベストセラーの電子書籍に対し、14.99ドルを支払うのが妥当だと考えるかどうかは、Amazonの顧客が自分で判断する」ことが求められる。
この記事は海外CBS Interactive発の記事を朝日インタラクティブが日本向けに編集したものです。原文へ
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