UPDATE Googleが米国時間1月22日に発表したところによると、共同創業者であるLarry Page氏とSergey Brin氏は今後、保有する同社株式を段階的に売却していき、2014年には両氏の保有する議決権が過半数を割る見通しだという。
Page氏とBrin氏は2009年11月、長期的な株式売却計画に合意した。こうした計画は、企業幹部陣が株式市場に動揺を与えることなく、時間をかけて保有ポートフォリオを多様化させることを可能にする手段として、一般的にとられる手法である。しかし、この計画に関して重要なのは、全てが計画通りに進んだ場合、Page氏とBrin氏の保有するGoogle株式の議決権が将来的に過半数以下になることが、米証券取引委員会(SEC)への提出書類で明らかになったということだ。
「Larry氏とSergey氏が今後5年間、500万株ずつのGoogle株式を売却していく計画を開始したことを本日明らかにした。これらの株式は、彼らが保有するGoogle株式の約17%に相当する」とGoogleは電子メールによる声明で述べた。「両氏はこれまでと同様、Googleに尽力しており、われわれの日々の経営と製品戦略に欠かすことにできない存在になっている。今回の株式取引計画は、Larry氏とSergey氏がそれぞれの個人資産の多様化および流動性向上を図る長期戦略の一環として、時間をかけて、保有するGoogle株式の一部を売却できるようにするために採択された」(Google)
Googleは2004年に新規株式公開(IPO)を申請したとき、2種類の株式で構成される議決権制度を策定した。株式市場で取引されるクラスAの株式では、保有者に1株あたり1票の議決権が与えられる。Brin氏とPage氏、最高経営責任者(CEO)であるEric Schmidt氏、ディレクター、初期投資家、主要経営陣が保有するクラスB株式では、1株あたり10票分の議決権を行使できる。
22日のSECへの提出書類によれば、Page氏とBrin氏は現在、59%の議決権を保有しているが、今回の計画に含まれる株式を全て売却した場合、両氏の保有する同社株式の議決権は48%になる。
ただし、Googleの2009年の委任勧誘状によれば、同社の最高経営責任者(CEO)であるEric Schmidt氏は9.5%の議決権に相当するクラスB株式を保有している。そのため、株式売却が完了した後も、この3者が過半数の議決権を握ることになる。さらに、同委任勧誘状によると、この3者にディレクターと主要経営陣を加えると、Googleのインサイダーが現在保有しているGoogle株式の議決権は70.9%であるという。
とはいえ、今だと、2人の創業者が保有する議決権を行使した場合、両氏は、検閲をめぐって中国政府に最後通牒を突きつけた2週間前のような決定を、仮に一般株主が賛成しなかったとしても強引に押し通すことができるのだ。
実際に、Googleは2004年のIPO時に投資家に宛てた書簡の中で、「新規投資家は長期にわたってGoogleの経済面を完全に共有することになるが、議決権を通して戦略的決定に影響を及ぼすことは、ほとんどできない」と述べ、株式購入希望者に対して、そうした創業者の意向に注意するよう促していた。
この記事は海外CBS Interactive発の記事を朝日インタラクティブが日本向けに編集したものです。 原文へ
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