Gartnerが米国時間1月19日に発表した最高情報責任者(CIO)らを対象とした調査によると、2010年のIT予算は、景気後退によって支出が8.1%減少した2009年よりは増加するものの、その平均増加率は約1.3%程度になるという。Gartnerは、報告書「Leading in Times of Transition: The 2010 CIO Agenda(転換期を制するために:2010年のCIOの課題)」において、約1600人のCIOを対象に調査を実施した。すべてのCIOが、2009年は10年間で最も厳しい年であったと振り返った。
2010年の1.3%という増加率は加重平均である。中には、この平均よりも増加率が高い予算も存在する。少なくとも、2010年にはほとんどのIT予算が下げ止まるものと思われる。
しかし2009年の大幅な削減により、過去4年間の予算増加分が事実上すべて帳消しとなり、2010年の支出は2005年とほぼ同水準となる。さらに、景気後退から景気回復への転換が強調される中、ますます多くのCIOらが、リソースを管理するだけの状態から結果を生み出すことを目的とした動きに転じるだろうと、Gartnerは述べている。
多くの企業が、クラウドコンピューティング、仮想化、ソーシャルコンピューティングといった新しい技術を、社内ITの経費を合理化し、生産性を高めるための手段として着目することになるだろう。Gartnerの調査に協力したCIOらは、ITの今後の役割に変化をもたらすかもしれない、より戦略的なイニシアチブとしてこれらをとらえている。またCIOらは、容易に導入可能で初期投資をそれほど必要としない技術に予算を投入したいと考えている。
同社のグループバイスプレジデントであり、Gartner Executive Programsの調査を統括するMark McDonald氏は声明で、「転換期は、企業およびITに対し、自分自身の位置を再確認し、景気後退時に講じられた厳しい是正策を生かす機会を与える」と述べた。「CIOらは2010年を、サポート機能から革新および競争的優位性を目的とした戦略的牽引要素へとITの変革を加速する機会であるとみなしている。彼らはもう何年間もこの移行に対する野望を抱いてきたが、経済的、戦略的、技術的な変化により最近になってようやくそれが実現可能になった」(McDonald氏)
Gartnerは同報告書の作成に際し、41カ国27業界にわたる企業および公共IT支出において1260億ドル以上に関与する1586人のCIOを対象に調査を実施した。調査は、2009年9月から12月にかけて実施された。
この記事は海外CBS Interactive発の記事を朝日インタラクティブが日本向けに編集したものです。原文へ
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