SAP、顧客を高額なサポートに移行させる計画を撤回

文:David Meyer(ZDNet UK) 翻訳校正:吉武稔夫、高森郁哉2010年01月18日 13時50分

 ドイツのSAPは、ユーザーグループとの長い交渉を経て、全顧客をより高額なサポートプランへ移行させる計画を撤回した。

 SAPは現地時間1月14日、2段階方式のサポートモデルを発表した。英国の顧客らは、この動きを歓迎している。新モデルでは、ユーザーが「SAP Standard Support」とより高額な「SAP Enterprise Support」から選択できるようになる。SAPはまた、2010年はEnterprise Supportの料金を2009年と同額に据え置く予定だと述べた。

 SAPの最高経営責任者(CEO)Leo Apotheker氏は、声明の中で次のように述べた。「SAPの新サポートモデルは、顧客およびユーザーグループと数多く重ねた議論をじかに反映したものだ」

 「われわれは、世界中の顧客から寄せられたフィードバックや提案を検討してきた。結果として当社は今後、SAP Enterprise Supportで引き続き最高の価値と完全な透明性を顧客に提供する一方、多様な顧客のニーズに対応する一貫した世界的なサポートの選択肢を提供することになる」(Apotheker氏)

 SAPは2008年、すべての顧客をEnterprise Supportに移行させる意向を明らかにした。結果として、Standard Supportを選んでいた顧客のサポート料金は、ライセンス料の17%から22%へと上昇する見通しになった。ユーザーグループがこれに反発したことで、SAPは2009年4月、主要業績評価指標(KPI)のプログラムを実施することに同意した。このベンチマークプログラムの目的は、ユーザーが支払う金額に対して得ている価値を把握できるようにすることだ。

 SAP UK & Ireland User Groupの会長を務めるAlan Bowling氏は、1月14日の声明の中で、同グループはSAPによって選択肢が提供されたことを「喜んでいる」と述べた。

 「今回の動きが示すのは、SAPがユーザーグループの声を、つまり同社顧客の声を聞いており、われわれのフィードバックを取り入れ、SAPユーザー全員のニーズに応える変更を行うということだ」と、Bowling氏は述べた。同氏は「(Enterprise Supportは)多くの価値を提供する可能性がある」と指摘したが、同ユーザーグループの会員たちは高額な料金プランへの移行を強いられることに不満を抱いていた、と付け加えた。

 SAP Standard Supportには、アップデート、問題解決、品質管理といったサービスが含まれ、オプションで「MaxAttention」サポートや「Safeguarding」サービスなどを追加できる。

 SAP Enterprise Supportのパッケージは、Standard Supportと同じサービスに加えて、同社の説明によると「事業の継続性、事業プロセスの改善、投資の保護、および顧客支援を通じた効率性の向上とシステムダウンタイムの減少による総運営費用の削減」に特別な注力を提供するという。

 Bowling氏は、ユーザーグループが引き続きSAPとベンチマークプログラムに関して協力する意向だと付け加えた。

この記事は海外CBS Interactive発の記事を朝日インタラクティブが日本向けに編集したものです。原文へ

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