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100年後の人に感謝される製品を--ジャストシステム創業者が語る新会社設立への思い

永井美智子(編集部)2010年01月14日 19時58分
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 「ITを使ってもっと何かできないかと考えてきた人間からすると、IT業界の現状は『まだまだ』というより『何もない』。思うことのほんの一部しか実現されていない状態だ。こういうことをしたら世の中の人が喜ぶに違いない、というアイデアが湯水のように浮かんでくる」――ワープロソフト「一太郎」などを生み出したジャストシステムの創業者、浮川和宣氏は、新会社「MetaMoJi」(メタモジ)についてこのように思いを述べる。

 MetaMoJiは浮川氏が2009年10月、妻でジャストシステムの共同創業者でもある浮川初子氏とともに設立した企業だ。ジャストシステムから財務情報用のXMLベースの言語「XBRL(eXtensible Business Reporting Language)」やオントロジーに関する技術を譲り受けており、これらを中核に、ソフトウェア開発のための新技術を開発する。社員数は1月時点で16人おり、全員が元ジャストシステムの社員だ。

 MetaMoJiは基礎技術を開発するとともに、ジャストシステムから譲り受けた53件の特許(出願中含む)などの知財を管理する。事業化が見えた段階で子会社を設立し、他社と協業しながら子会社の株式公開を目指すという。MetaMoJi自体は非公開企業とする方針だ。

 「好きなことをしたいという思いの中で、基礎研究はなかなか他の人にわかってもらえず、上場など多くの人に資金を出してもらう形態はそぐわないとこれまで何度か感じた。このため、MetaMoJiは将来にわたって上場せず、プライベートカンパニーとして続ける」と浮川和宣氏は話す。子会社については、5年後に1〜2社を株式公開したい考えだという。

metamoji.jpg 浮川初子氏(左)と浮川和宣氏(右)

一般の人が手軽にプログラムを作れる環境を

 具体的な事業内容については明らかにしていないが、浮川初子氏は「仕事の方法論などを提案している専門家が、本を通じて発表するだけではなく、エンジニアに頼まなくてもプログラムを作って公開できるような開発環境を提供したい」と語る。「一般の人がやりたいことをプログラマーに伝えてプログラムを作ってもらっても、『ちょっと違う』と感じる。仕様を書けばそのままプログラムとして動くようなコンポーネント(ソフト部品)を用意したい」

 浮川初子氏は2000年ごろから、誰でも簡単にプログラムが作れるような世界を作りたいと考えていたという。それはジャストシステムの提案したXMLデータを統合的に扱う技術「xfy」につながるが、xfyは企業をターゲットにしていたため、浮川初子氏が思い描くようなサービスは作れずにいた。MetaMoJiでは一般ユーザーをターゲットとしたウェブアプリケーション型のサービスを提供し、さまざまな人の発想をプログラムという形に落とし込めるようにしたい考えだ。

 「人間の考えを後世に遺して利用できるようにする。自分が100年後生きていないとしても、100年後の人たちが『あのとき、あの人たちのおかげでこうやって(プログラムが)使える』と言ってもらえるようなサービスや開発環境を作っていきたい」(浮川初子氏)

 収益はサービスからあげる方針で、技術を他社にOEM提供することは当面考えていないという。年内にも第1弾のサービスを公開したい考えで、「半年後にはもっと具体的な話ができるようにする」(浮川和宣氏)とした。

 浮川和宣氏は、「ITをうまく使えば、もうちょっと良い社会、良い文明ができると感じている」と語る。たとえば既存のソフトやサービスも、XMLを活用して連携するだけでユーザーの利便性は飛躍的に高まるというのだ。

 「青臭いと言われるかもしれないが、なぜ人間が仕事をするのか、会社を作るのか、仲間を集めて『苦労を共にしよう』と声をかけるのかといえば、社会貢献をしたいから。自分たちが作り上げた製品やサービスで多くの人に喜んで欲しいという夢を実現したい」(浮川和宣氏)

metamoji2.jpg 浮川和宣氏によると、MetaMoJiは事業の卵を育てるインキュベーション機能を果たし、各子会社がサービスを提供する形をとるという

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