価格以外にも、そもそも消費者に知ってもらうという問題がある。Barnes & Nobleは同社のブランドと多数の店舗を利用してnookに注目を集めることができるが、ほかの企業も知名度と販売スペースの両方をつかみ取ろうとしている。QUEは、同端末向けのブックストアを提供するBarnes & Nobleを通して販売される予定だ。一方Spring Designは米国時間1月7日、Bordersとの提携を発表し、ゆくゆくはAlexがBordersの店舗で販売されるようになると述べた。またSkiffは、同社にワイヤレス機能を提供するSprintに頼り、Sprintの1000の店舗でSkiffの端末が販売される予定だ。
そして、ほかにもまだ懸念があるとすれば、それは迫り来るAppleの脅威だ。「もしApple製タブレットが本当に発売されて、それが予想どおりの機能を備えているとしたら、市場の情勢は一瞬にして変わるだろう」(Weiner氏)
CESで注目を集めていたのはほとんどが新しいハードウェアだったが、Hearst傘下のSkiffの幹部陣によると、同社の主な目標は定期刊行物の優れたプラットフォームと購買体験を構築することで、それが将来的に多くの端末に対応すれば、同社自身は端末の提供をやめるだろうという。
Skiffの最高マーケティング責任者(CMO)であるKiliaen Van Rensselaer氏は、「われわれは、いくつかのクールな端末で模範を示し、その後できるだけ早く撤退したいと考えている」と語った。
一部の電子書籍端末には、電子インクを使った端末を完全に回避しようとしている取り組みもある。Ray Kurzweil氏の「Blio」は、タブレットやスマートフォンの能力を使って、文字と動画、音声、ウェブコンテンツを組み合わせた電子書籍を実現することに注力している。数週間のうちに稼働開始予定のBlioストアは当初、PCと「iPhone」の両方をサポートする。
コンピュータ業界の指導者であることに加えて、電子書籍分野の先駆者でもあるKurzweil氏は、単一機能の電子書籍端末にそれほど大きな市場があるとは思わない、と述べている。
「ユーザーは1つのプラットフォームで、映画鑑賞やコンピューティング、電子メールなど、あらゆることをしたいと考えている。別の端末を持ち歩くことを望んでいない」。同氏はインタビューの中でこのように語った。
この記事は海外CBS Interactive発の記事を朝日インタラクティブが日本向けに編集したものです。原文へ
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