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2009年は有料ケータイ動画元年に--MOVIEFULLとBeeTVの取り組み

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 携帯電話端末やインフラが進化するに従って、携帯電話上で楽しめるコンテンツも、よりデータ量の大きい高度なものが増えてきた。着メロから着うた、着うたフルといった変化はその代表例といえるが、近年特に利用者が増えているのが動画だ。

 今回はその携帯電話向け動画コンテンツに焦点を当てる。携帯電話キャリアが力を入れるようになったことで注目度も高まっている分野だ。

モバイル動画は制約との戦い

 一口に「携帯電話向け動画」といってもその範囲は広く、実は歴史も古い。携帯電話に動画再生機能が搭載され始めた2001年頃から、15秒程度のショートムービーを配信するサービスはあった。だがハードの性能が低い点や、大容量データをやりとりすることで通信網にかかる負担が大きく、通信料金も高額になるなどの点を考慮し、携帯電話端末に搭載されている動画再生機能は長い間限られたものとなっていた。

 最近になって各社が10Mバイトの高画質動画再生に対応したり、NTTドコモが「ドコモ動画」と銘打って動画サービスに力を入れたりするなど変化は見られるが、容量の都合上、携帯電話網を用いた長時間のストリーミング再生が困難であるほか、NTTドコモ以外では高画質動画を提供できるのが公式サイトのみに限られているなど、現在でもさまざまな制約が存在する。携帯電話ではいまだ、PCのように長時間動画を自由に配信できる環境にはなっていない。

 ただ、そうした状況を打破して本格的な動画配信サービスが実現できるようにもなってきた。これには、定額データ通信サービスの普及に加えて、iアプリに代表される携帯電話向けアプリケーションを用いた動画配信システムが登場したことが大きい。端末標準の動画再生機能を用いず、専用の動画再生アプリと配信システムを別途用意することで、長時間動画の再生を実現したのである。携帯電話アプリを用いた動画配信システムとしては、jig.jpの「jigムービー」やPara.TVの「Para.TV」などがあり、現在も多くのコンテンツプロバイダーが、この仕組みを用いて長時間の動画配信サービスを提供している。

 ただし、大容量のデータのやりとりは通信網にかかる負担が大きいことから、アプリを用いた配信方法にも課題はある。現在、アプリを用いた動画のストリーミング配信を制限なくできるのはNTTドコモのみとなっている。ソフトバンクモバイルの場合7分に1度再生継続の確認が入るという制限があり、auに至ってはストリーミング系のアプリケーションの提供自体、KDDIの審査が通らないようで、実現しているコンテンツプロバイダーは存在しない。

無料サービスが牽引してきたモバイル動画

MOVIEFULLMOVIEFULL
(C)ORBIT/ヤミ・ヤーマ図書管理組合、(C)SUNRISE/PROJECT GEASS・MBS Character Design 、(C)2006 CLAMP、(C)2000 R.T/S,Y,S

 従来、携帯電話向けの動画配信サービスを牽引してきたのは、広告収入を主とした無料のサービスだった。そうした中でも多くの会員を集めているサービスの1つに、ISAOの「MOVIEFULL」がある。

 MOVIEFULLは大手3キャリアの公式サイトとして展開しており、無料ながらプロフェッショナルが制作した動画番組を、著作権問題をクリアした上で配信しているというのが特徴だ。現在は150万人の会員がいる。

 ISAOは従来、オンラインゲームに関連したサービスなどを提供してきた企業であったが、2007年7月にムービーフルから動画事業を譲り受けて携帯電話向け動画配信に参入した。同社のサービス企画本部 サービス制作グループ MF/MFPグループ グループ統括責任者である和智信治氏にその理由を聞いたところ、オンラインゲームだけでは事業の広がりに限界を感じており、次のエンターテインメント分野を考えた時に、動画にチャンスを見出したのだという。当時は携帯電話向けの動画配信というのがまだ注目されていなかったが、その後の市場の成長を見越し、ノウハウの蓄積なども考慮して早めの事業展開を決めたのだそうだ。

 MOVIEFULLも、先に説明した携帯電話アプリを使って長時間の動画を配信している。ただ、これはNTTドコモ、ソフトバンクモバイル向けのみで、au向けには端末標準の機能を用い、長時間動画を分割して配信している。ISAOは自社で独自の携帯電話向け動画配信システムを開発しており、これによってドラマやアニメ、映画などといった長時間の番組をそのまま再生できるようにした。またアプリで動作するという特性を生かし、動画内のアイドルとじゃんけんができるなど、インタラクティブ性を持ったコンテンツも提供している。

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