これは驚きだ。Twitterの2009年度の業績は黒字になる見通しだと、BusinessWeekが情報筋の話を引用して報じている。何が起きたのか? 同社は、GoogleやMicrosoftとの検索契約によりかなりの大金を手にし、それによって1億ドルをはるかに超えるベンチャーキャピタル資金を集め、未公開株式の評価額は約10億ドルとなっている。
同社が未だに長期的な収益戦略を打ち出していないことを考えると、これは、置き去りにしてしまった8歳の子供が待つ自宅へと戻ろうとしたパニック気味の母親が、John Candy率いるポルカバンドの車を幸運にもヒッチハイクできたという映画「ホームアローン」に出てくる話に並ぶ、クリスマスの奇跡の1つにちがいない。
では、詳細を見てみよう。情報筋がBusinessWeekのSpencer Ante氏に伝えたところによると、GoogleとMicrosoftの「Bing」との検索契約により、Twitterはそれぞれ1500万ドルと1000万ドルを手にし、それによってTwitterはテキストメッセージ機能にかかっていた高いコストの一部を削減することができたという(そのコストがあまりにも高かったために、Twitterは一時的に国際的なSMSコードを制限する必要もあった)。なるほど、それはすばらしい。どちらも妥当な金額だと思われるし、Twitterが2009年初めに雇用したモバイルビジネス開発を担当する人物が何らかの形でこれに関与しているようだ。またAnte氏の記事では、Twitterの2009年の業績は黒字になると情報筋は述べたが、だからといって2010年も黒字になるとは限らないと明記されている。
しかしキャッシュフローが黒字であることと、収益性があることは異なるし、Twitterの他の支出が何だったのか、2010年にはどのような支出があるのかもはっきりしていない。
以下は、Ante氏の記事の抜粋である。
Twitterはこれだけの人気を博したため、通信企業に対して金銭的に有利に交渉する力を得た。サービスに対する同社の支払い割合が非常に低い数多くの契約について、通信事業者との間で再度交渉ができた。ある情報筋は、「かつてはそれが最大の支出だった」と述べている。「全体的に、そのようなコストはなくなった。今では人件費が最大の支出である」(ある情報筋)
そう、人件費だ。移転したばかりの新しいオフィスやまだまだ増加中の給与などだ。そしてハードウェアにも費用がかかる。邪悪なくじらの攻撃に備えて、防御用の武器が必要だからだ。また、何かを購入することもあるし、現在実施している(おそらく将来的には課金することになる)「コントリビューター」アカウントのテストのような新機能の開発も続けている。したがって優れたモバイル戦略によってコストを削減しても、それ以外にも同時進行で増大する可能性のあるコストが数多く存在する。
Twitterにとってのよい知らせは、検索契約によって2500万ドルを獲得したのならば(それが真実ならばの話だが)、同社はそれをより強力な長期的収益戦略へと拡大できる可能性があるという点である。批評家らは、Twitterが広告や有料アカウントによって収益を上げようとする可能性に対しては懐疑的であり、Twitterの「会話」能力に現在大きな関心を寄せる企業らが、より詳細な分析をするための資金を捻出するだろうかという議論について深く考えた者は誰もいない。
この記事は海外CBS Interactive発の記事を朝日インタラクティブが日本向けに編集したものです。 原文へ
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