iPhone向けサイトのユーザビリティ最適化でチェックしておきたい項目まとめ - (page 2)

森祐二(ビービット)2009年12月18日 08時00分

2.iPhone向けサイトの提供

 アプリ提供を行うようなサービスではなくても、既存サイトにiPhone(スマートフォン)からのアクセスが増えている場合や、「iPhone(スマートフォン)ユーザー」が自社のターゲットユーザーに合致する場合には、サイトを別途立ち上げることも検討してよいだろう。従来の携帯電話向けサイトのように、3大キャリア対応や公式化などの手間がかからず、比較的敷居が低い。

 また、iPhoneアプリだけでは十分なユーザー数が得られず、ほかのスマートフォンを含めクロスプラットフォームでサービス提供する必要がある場合や、ネットワーク側の処理でも十分なサービスではこの形の対応になる。

3.既存サイトのiPhone対応度のチェック

 iPhoneからのアクセスが少ない場合でも、複数ブラウザ対応の一環として、iPhoneを対象にしたチェックを一度行っておくことを推奨する。ユーザーから、「iPhoneではうまく使えないのだが…」という問い合わせを受けた経験はないだろうか。

 動作検証やCSSなどの対応を確認するのはもちろんだが、特に画面を縮小、拡大表示した場合の見え方に注意しよう。

 これらのポイントをふまえた上で、iPhoneから利用されるサイトの設計で気をつけるべき注意点を以下にまとめる。

  • ユーザーはページ全体が縮小された状態から、コンテンツエリアだけを拡大して見ることが多い。この場合、コンテンツを見終わった後のユーザにはナビゲーションのエリアは視界に入らない可能性が高いため、次のページへのリンクはコンテンツのそばに置くようにする。
  • コンテンツエリアの横幅とフォントサイズに注意する。文字が読めるレベルに拡大した際に、コンテンツエリアが画面からはみ出さないようにする。
iPhone向けサイト(クリックすると拡大します)
  • タッチパネルによるクリックは、マウスや十字キーによるクリックに比べ精度が低いため、押し間違いが頻発する。クリック可能な要素は隣接させず、適切な間隔をおいて配置する。
  • 縮小される前提でアクションボタンは大きくする。小さいボタンでは縮小表示した際につぶれて認知しにくくなってしまう。
iPhone向けサイト(クリックすると拡大します)

株式会社ビービット ロゴ 株式会社ビービット

仮説検証型の独自方法論「ビービットUCD(User Centered Design)」を用いて、ウェブおよび携帯サイトの戦略立案、サイト設計、構築、効果検証を行うインターネットコンサルティング会社。

年間1000人を越えるユーザビリティテスト(ユーザー行動観察)やアイトラッキング調査など各種リサーチを実施し、ウェブユーザーの心理と行動パターンを分析。サイトの売上向上、コンバージョン率改善などの具体的成果の創出を行っている。

絶えず変化するウェブユーザのニーズを把握し、インターネットを通じた企業の収益機会を実現するための方法論を解説。「ユーザ中心ウェブサイト戦略〜仮説検証アプローチによるユーザビリティサイエンスの実践

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