ワシントン州エバレット発--非常に長く待たされることにはなったものの、ついにBoeingの「787 Dreamliner」は初飛行に成功した。
Boeingは米国時間2007年7月8日に、何千人もの熱心な見物客を前にして、巨大な組立工場で787 Dreamlinerを披露した。同社は、かつてなく効率的なフライトを約束し、長距離飛行の本質を変えると公言した。また、数カ月後には787 Dreamlinerの初飛行が実施される予定であると述べていた。
しかしながら、次から次へと生じる遅れにより、787 Dreamlinerプログラムは大幅に遅れた。同機は2009年5月にはフライトラインに送られ、第2四半期中には初飛行の実施が期待されたものの、実施されるには至らなかった。だが、12月15日の太平洋標準時午前10時28分に、ついに当地のBoeingの「Paine Field」から初めて飛び立った787 Dreamlinerは、急スピードで厚い雲の中へと消えていった。その後、787 Dreamlinerは、シアトルタコマ国際空港の約29マイル(約46.7km)南に位置する「Boeing Field」へと数時間後に着陸した。
Boeingにとって、15日の進展は、ここ数年間で最も重要なステップとなる。炭素複合材から製造され、新デザインのカーブした翼を持つ787 Dreamlinerは、同サイズの他の飛行機と比較すると、乗客1人当たりで20%の燃費向上を実現し、次世代のスーパージェット機業界を支配する絶好のチャンスをもたらすはずであった。Boeingの広報担当であるRuss Young氏は、当初の計画では、20%の高速化を実現する飛行機の製造が目指されていたことを明らかにした。とはいえ、顧客となる可能性の高い企業との協議の末、最終的には燃費効率が優先されることに決定した。
しかし、機械工によるストライキ、翼と胴体を結ぶジョイント部分の問題、供給部品の不足などで遅れが生じて、Boeingには痛手となってしまった。その間にも、最大の対抗企業であるAirbusは「A380」の飛行を成功させて、すでに複数の航空会社に供給を完了した。A380は現在、Qantas、Emirates、Singapore Airlinesなどの航空会社が、定期運航に採用している。
それでも、Boeingが787 Dreamlinerに注ぎ込んだ時間や金額を考慮に入れるならば、たとえ若干の遅れが生じていたとしても、計画を打ち切ることなどは考えられなかった。その代わりに、同社は問題を克服するために全力を尽くし、計画を前進させてきた。ついに同社は、飛行許可を得るために求められている最後のテストを先週中に完了し、15日には大勢の人々が見守る中で初飛行を成功させた。
この記事は海外CBS Interactive発の記事を朝日インタラクティブが日本向けに編集したものです。原文へ
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