Pichette氏は直近四半期におけるGoogleの検索クエリの状況について「(日本では)レストランやチケット販売、自動車、不動産に関する検索回数が増えている。その一方で失業保険や自立支援、メンタルヘルスに関する検索は減ってきた。これは米英でも大体同じ状況」と、説明する。
こういった検索クエリのトレンドから、「政府の出す公式な統計の発表を待たずとも経済が見えてくる。厳しい状況は続いているが、今も回復の種がまかれている」と語り、企業に対して「少し先んじて投資して、景気が回復した際にそれをフルに活用できるようしなければならない」とした。
Pichette氏はここまでの経済状況分析について「これはGDPを元にした見方。一方でデジタル経済の不況は皆無」と語る。
インターネット人口はすでに世界人口の25%超。そして16のインターネット先進国では、余暇の内30%がオンラインでの活動に費やされている状況だという。さらに「日本のインターネット普及率は75%。40歳未満のほぼすべての人がインターネットユーザー」(Pichette氏)。また、ネットワーク面ではKDDIやGoogleが出資する太平洋海底ケーブル「Unity」がロサンゼルスから日本に引き揚げられたことを紹介し、「2010年にサービスが開始すれば、4.8テラbpsの通信が可能になる」(同氏)。
またPichette氏は、デジタルコンテンツも「爆発的に増えている」と説明する。「人類の誕生から2003年まで、人は5エクサバイトほどのデータを記録してきた。しかし現在は48時間で同じ容量のコンテンツを作っている。またYouTubeには毎分20時間相当のデータがアップロードされ、1日あたりの視聴件数では10億回になる」(Pichette氏)。それに加えて、mixiやFacebookといったソーシャルネットワーキングサービスがオンラインで利用する時間の6分の1を占めており、「インターネットが通信メディアとしても成長している」(同氏)とした。
Pichette氏は、インターネットを中心にしたデジタル経済について「まだ始まったばかり。5年で10倍、10年で100倍に成長する」と期待を寄せる。そして、今後のデジタル経済には次の6つの変革が起こると語った。
つまりそう遠くない未来、オフラインにあったコンテンツはすべてオンラインに移り、Eメールをはじめとしたデータがクラウド上にある状態になるのだという。そして小規模な企業でも能力の高いサーバなどを使ってイノベーションを起こせるようになり、最後には「デジタル化」という言葉が必要なくなるほどに、生活様式からマーケティングまでがデジタルと密接になっていくとした。
CNET Japanの記事を毎朝メールでまとめ読み(無料)
ZDNET×マイクロソフトが贈る特別企画
今、必要な戦略的セキュリティとガバナンス
ものづくりの革新と社会課題の解決
ニコンが描く「人と機械が共創する社会」