先ごろ弊社ニュースリリースでは、「mixiアプリ効果でmixiの総利用時間が急増、YouTubeを抜く」との見出しで、mixiの総利用時間が大きく増加し、YouTubeを抜いたことをご紹介したが、実はもう1つ利用時間において大きな動きがあった。サイト全体の総利用時間ではなく、利用者1人あたりの利用時間を見た場合、ニコニコ動画の利用時間が動画サイトの雄であるYouTubeを抜いたのである。
まずは下記表を見て欲しい。
2009年7月 | 2009年8月 | 2009年9月 | 2009年10月 | |
---|---|---|---|---|
YouTube | 1時間45分 | 1時間46分 | 1時間36分 | 1時間42分 |
ニコニコ動画 | 1時間41分 | 1時間37分 | 1時間53分 | 2時間07分 |
実を言うと、利用者数が少なかった2007年頃は、ニコニコ動画の1人あたりの利用時間が3時間を超えることもあったものの、ここ1年の間はYouTubeとニコニコ動画の1人あたりの利用時間は、ほぼ同じくらいで、2〜3分程度の差で抜きつ抜かれつの状況を繰り返してきた。しかし、ここへ来て、ニコニコ動画が20分以上の差をつける大きな伸びを見せた。
この利用時間の伸びを牽引しているのが、ニコニコ生放送やニコニコチャ ンネルである。
コンテンツ (サブドメイン) | 2009年7月 | 2009年8月 | 2009年9月 | 2009年10月 |
---|---|---|---|---|
ニコニコ動画 (www.nicovideo.jp) | 1時間31分 | 1時間29分 | 1時間44分 | 1時間47分 |
ニコニコ生放送 (live.nicovideo.jp) | 1時間25分 | 1時間08分 | 1時間59分 | 1時間46分 |
ニコニコチャンネル (ch.nicovideo.jp) | 4分33秒 | 11分21秒 | 7分46秒 | 10分36秒 |
特にニコニコ生放送の利用時間の伸びが大きく、9月〜10月は、楽天イーグルスの公式戦生放送や、パ・リーグ クライマックスシリーズが特に利用者を集めていた。テレビでは野球中継の衰退が叫ばれて久しいが、配信エリアが限定されないインターネット中継のコンテンツとしては、大きな存在感を示したとも言える。
利用者数 | 総利用時間 | 1人あたり訪問回数 | 1訪問あたり利用時間 | |
---|---|---|---|---|
YouTube | 1,997万人 | 2,042,977千分 | 6.4回 | 16分07秒 |
ニコニコ動画 | 656万人 | 834,977千分 | 7.5回 | 16分57秒 |
利用者数で比較すると、YouTubeの利用者は2,000万人近くおり、ニコニコ動画の3倍以上である。総利用時間についても、依然として圧倒的にYouTubeのほうが多い。しかし、利用者1人あたりの訪問回数や1訪問あたりの利用時間においては、わずかではあるが、ニコニコ動画がYouTubeを上回り、サイトに対するロイヤリティが高いことがわかる。
性別利用状況 | 利用者数(万人) 男性/女性 | 構成比(%) 男性/女性 |
---|---|---|
YouTube | 1,113/884 | 56/44 |
ニコニコ動画 | 399/257 | 61/39 |
年代別利用状況 | YouTube 利用者数(万人)/構成比(%) | ニコニコ動画 利用者数/構成比 |
2-19 | 372/19 | 124/19 |
20-29 | 426/21 | 196/30 |
30-39 | 471/24 | 148/22 |
40-49 | 393/20 | 112/17 |
50-59 | 219/11 | 124/9 |
60- | 115/6 | 18/3 |
利用者の属性については、10月27日のニュースリリースにも掲載していたが、ニコニコ動画のほうがやや男性、若年層に偏りがある。一方のYoutubeは、ニコニコ動画と同様20歳未満が19%を占める一方で、50歳以上の利用者も17%を占めており、広い世代から支持されていることがわかる。
ロイヤリティの高い利用者を集め、1人あたりのサイト利用時間が増加傾向にあるニコニコ動画。一方で幅広い世代から支持を集め、動画サイトの中では圧倒的な利用者数を誇る YouTube。これに、先日ニュースりリースでもご紹介した、動画配信サイト利用者数第2位となったGyaO!を交え、動画配信サイト3強の戦いは今後も楽しみである。
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