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今後の流れはLTEが主流、CDMA2000陣営のUMBは採用なし--NTTドコモ

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 11月18日からパシフィコ横浜で開催されている組み込み総合技術展「Embedded Technology 2009」の基調講演に、NTTドコモの執行役員研究開発推進部長である尾上誠蔵氏が登壇。同社が2010年のサービス開始に向け準備を進めている、第3.9世代携帯電話(3.9G)のLTE(Long Term Evolution)について説明した。

 尾上氏はまず、近年のモバイルデータ通信動向について解説。第2世代携帯電話(2G)では性能的な問題でトラフィックの伸びに限界があったが、より高性能な第3世代携帯電話(3G)では、現在でもトラフィックが伸びているという。こうした現象は日本だけでなく海外でも起きており、数年前まではLTEの必要性に疑問を持っていた海外キャリアも、現在ではトラフィックの増大に対応するためLTEは必要だという認識を持つようになった。

 LTEは、ピークデータ速度が下り100Mbps、上り50Mbps、電波利用効率が3Gの2〜4倍といった要求スペックがある。中でも尾上氏は、接続・伝送遅延に対する条件について詳しく説明。日本で使用されていた2G方式のPDCは接続遅延があまりなかったが、3Gは遅延が大きく、それを小さくするのに苦労したことから、伝送遅延5ミリ秒、接続遅延0.1秒と大幅に短縮するよう議論がなされたという。

 NTTドコモはすでにLTEの実験を終了しており、サービス開始に向けて作業を進めている段階だ。ただ、3G(W-CDMA)によるサービスを他社に先がけて開始したものの、端末性能やサービス、料金などでユーザーに受け入れられず、先行者利益を得ることができなかった反省を踏まえ、LTEでは海外のキャリアと歩調を合わせて「世界の先頭集団」として導入する方針だ。

 LTEの場合、エリアを3Gにオーバーレイする形で展開できることから、インフラの“総入れ替え”となった2Gの時と比べ、投資対効果を見ながら順次展開できる強みがある。リモート基地局(RRE)を3GとLTEの双方に対応させる作業を今秋から始めており、基地局側の対応は2010年から進めていくとのことだ。

 利用する周波数帯については、まずは現在3Gで使用している2GHz帯で、5MHzの帯域幅を用いて展開。その後2012年下半期から1.5GHz帯を使用する。帯域幅は大きければ大きいほど速度向上が見込めるので、どこまでをLTEに使用するかは今後も検討していくとした。

 最後に尾上氏は、LTEと、第4世代携帯電話(4G)の方式の1つである「LTE-Advanced」の関係について解説した。LTEは当初、NTTドコモが5、6年前に「Super 3G」としてコンセプトを打ち出していたもの。当時は海外キャリアの多くが3Gに投資し始めたばかりで4Gの推進には難色を示していたため、3Gの発展と4Gへのスムーズな移行を考慮して企画したという。それを証明する資料として、2004年の国際電気通信連合(ITU)国際会議でSuper 3Gの考えを示していたこと、さらにLTEの標準化にあたって有力機器ベンダーへのロビー活動に用いた資料が、現在のLTEとほぼ同じスケジュールとなっていたことなどを示した。

 また、先日ITU-Rの4G方式(IMT-Advanced)の提案について申し込みが締め切られたが、提案されたのはLTE-Advancedと、WiMAXの発展形であるIEEE802.16Mの2つであったと説明。現在の携帯電話の方式から提案されたのはW-CDMA陣営のLTE-Advancedのみで、CDMA2000陣営のUMBは採用する事業者がなく、提案がなされなかったとし、「今後はLTE、LTE-Advancedの流れが主流になる。産業界の開発リソースをLTEに注力して欲しい」とアピールしていた。

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