Microsoftは、組み込みシステム向けの開発および実行環境である「.NET Micro Framework」の大部分をオープンソース化した。
.NET Micro Frameworkは、パーキングメーターから衛星ナビ、スマート遠隔制御にいたるまでさまざまな機器に使用されている。Microsoftは米国時間11月16日、ロサンゼルスで開催された同社のProfessional Developer Conference(PDC)において同フレームワークのバージョン4.0をリリースするとともに、ソースコードの大部分をApache 2.0ライセンスの下に公開し、同フレームワークに関するライセンス料を廃止した。
しかし、同フレームワークのTCP/IP通信スタックと暗号化ライブラリは、オープンソース化されていない。Microsoftのプラットフォーム戦略グループのオープンソースコミュニティマネージャーを務めるPeter Galli氏によると、これらを除外したのは、TCP/IPスタックのライセンスはMicrosoftがサードパーティであるEBSNetからライセンスされているものであり、暗号化ライブラリは「.NET Micro Framework」の範囲外で使用されている」からであるという。
Galli氏はブログ投稿で、「暗号化機能のコードへのアクセスが必要な顧客は、これらのライブラリを他のものに置き換えることができる」と述べ、TCP/IPスタックのソースコードについては、「直接EBSNetに問い合わせてほしい」と付け加えた。
「同製品のほとんどすべてのソースコードを公開することにより、開発者らは、.NET Micro Framework向けに実装されたBase Class LibraryとCLRのコードそのものにもアクセス可能となった」とGalli氏は記している。
Galli氏は、フラグメンテーションを防ぐために、Microsoftは今後も同プログラムの開発に積極的に関与するつもりであるという、プログラムマネージャーのColin Miller氏の言葉も引用している。
その中でMiller氏は「非常に小さな機器向けの高品質な製品を引き続き製造することを目的とする、Microsoftの社内と社外のメンバーで構成されるコア技術チームを結成する予定である」と述べている。「このグループは、コミュニティによる貢献との橋渡しとしての役割を担い、それと同時進行で、Microsoftの開発者らはこれからも機能を追加し、.NETチームとともに全体を調整していく」(Miller氏)
軽量な.NET Micro Frameworkは、多種多様なプロセッサに使用することができ、Microsoftが一般的に対象とする標準的なx86アーキテクチャ以外にも、ARMアーキテクチャにも使用することができる。
組み込み機器市場の競争は激化しており、ARMは17日、GoogleのオープンソースモバイルOS「Android」をARMアーキテクチャ上で使用したいと考える開発者向けに、リソースセンターを開設した。これらの機器には、多種多様なLinuxディストリビューションもよく使用されている。
この記事は海外CBS Interactive発の記事を朝日インタラクティブが日本向けに編集したものです。 原文へ
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