NTTドコモは10月30日、2010年3月期の業績見通しを修正すると発表した。営業収益(売上高)は4月予想より1060億円少ない4兆2760億円となる見通し。営業利益については8300億円と据え置いている。
主な要因は端末販売の不振。当初、年間で1970万台の販売を見込んでいたが、1820万台へと下方修正した。上半期の販売台数は前年同期比14.2%減の881万台にとどまっている。下半期については、「2〜3年前に販売した905i/705iシリーズは販売台数でピークだった。これらを使っているお客様が買い替え時期を迎えるため、ある程度の数字が見込める」(NTTドコモ代表取締役社長の山田隆持氏)とした。なお、NTTドコモは11月10日に冬商戦向けの端末を発表する予定だ。
なお、販売台数の落ち込みにより端末販売収入は当初予測より1230億円減る見通しだが、端末機器原価などの営業費用が下がるため、営業利益の予想値は変えていない。
2010年3月期上半期の業績は、営業収益が前年同期比5.4%減の2兆1458億円、営業利益が同15.9%減の4852億円、純利益が同17.9%減の2847億円となった。前年同期は新販売モデルの導入で一時的に利益が押し上げられており、今回の大幅な減益は想定どおりとのこと。
2007年9月1日に導入した2年契約の割引サービス「ファミ割MAX」の契約者が2009年9月に満期を迎えたことで、解約率が上昇するのではと見られていたが、大きな影響はなかったと山田氏は話す。「9月の解約率は0.53%だった。ファミ割MAXが満期になったお客様が約600万人いたが、解約したのは7万人程度で、1%強にとどまった」。このため、第2四半期の解約率も0.46%と低い水準にとどまっている。10月の解約率についても、0.45%程度になりそうとのことだ。
また、2年前に端末を割賦で購入したユーザーが、2年たって解約するのではないかという指摘に対しても、「割賦販売では端末購入代金の支払いを1回、12回、24回から選べるようになっている。ファミ割MAXほどの影響は受けないのではないか」(山田氏)と、解約率に大きな影響を与えるようにはならないと話した。
2010年3月期上半期のARPU(ユーザー1人あたりの月額支払い料金)は前年同期比7.5%減の5430円。このうち、音声ARPUは同14.8%減の2990円となったが、パケットARPUは同3.4%増の2440円と伸びている。データARPUの伸びはNTTドコモの予想を上回っているとのことだ。
この背景には、パケット定額制の契約者の伸びがある。8月にパケホーダイ・ダブルを月額390円からとしたことで、「ドコモショップからも、お客様に勧めやすくなったという声をもらっている」といい、9月末時点でのパケット定額制加入者の割合は47%と、通期目標を達成してしまった。2010年3月末には、55%まで増える見通しだ。 音声ARPUの下がり幅についても、今後は小さくなると山田氏はみる。基本料金が半額になる「ファミ割MAX50」「ひとりでも割50」「オフィス割50」の契約率が63%(3450万件)となったほか、10年以上利用していて基本料が半額になっている顧客が13%(700万件)いるためだ。基本料が低い分、安心して通話をしてもらえると見ているようだ。
2013年3月期までにはARPUの下げ止まりを止め、音声ARPUとパケットARPUの比率を逆転させたいと山田氏は話す。ARPUの底は5000円程度と見込んでいる。
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