Amazon.comは、子会社のAmazon Web Services(AWS)を通じて提供するクラウドコンピューティング型ストレージサービスをより高いレベルに拡大し、インターネット上のデータベースに情報を格納することを望む企業に向けた新たなオプション「Amazon Relational Database Service(Amazon RDS)」を発表した。
AWSのスイートには、すでにデータベースオプション「Amazon SimpleDB」が含まれている。SimpleDBは、データを格納し検索するための同社独自のインターフェース規格を備えた基本的なデータベースだ。これに対してAmazon RDSは、より標準的なデータベース用インターフェースを採用し、今回はオープンソースソフトウェア「MySQL」をオンラインで実装して組み込んだ、と同社は米国時間10月26日に述べた。
「Amazon RDSを使えば、ユーザーはMySQLデータベース(具体的にはMySQLのバージョン5.1)への完全なネイティブアクセスを得られる」と、同社はAmazon RDSのサイトで述べた。「これはつまり、Amazon RDSがユーザーの既存のツールやアプリケーション、ドライバと連携するということだ。ユーザーは、コードを1行も変更することなく、既存のデータベースをAmazon RDSに移行できる。自身のツールやアプリケーションをAmazon RDSのDBインスタンスにポイントするだけで、すぐ利用可能な状態が整う」
Amazonは、現在ベータテスト段階のAmazon RDSを使う理由として、面倒な作業が最小限に抑えられ、柔軟性が向上する点を挙げた。
Amazonのウェブサービス担当エバンジェリストであるJeff Barr氏は、ブログ投稿で次のように述べた。「ハードウェアの扱いで手間取る、ケーブルをたどる、OSをインストールする、データベースを管理するといったことに時間を費やさずにすめば、浮いた時間はすべて、アプリケーションに独自性や価値を付与する作業に費やせる。私が指摘しておきたいのは、(Amazon)RDSが真に魅力的な開発とテストシナリオを数多く可能にすることだ。顧客企業は、ハードウェアに多額の投資をすることなく、プロジェクトを担当する開発者ごとに個々のデータベースインスタンスを設定できる」
Amazonは、Amazon RDSの堅牢性をさらに高めるべく取り組んでいる。同社は自動バックアップ機能を提供しているほか、将来的には「高可用性」オプションを追加料金なしで提供する計画だ。これにより顧客は、地理的に異なる場所でデータベースのインスタンスを別途作成することができる。
AWSにおける他のサービスと同様、Amazon RDSは使用量に応じて課金され、データベースのサーバメモリ容量によって1時間あたりの料金が設定されている。RAMが1.7Gバイトの「Small DB Instance」は1時間あたり11セント、7.5Gバイトの「Large DB Instance」は1時間あたり44セント、15Gバイトの「Extra Large DB Instance」は1時間あたり88セント、34Gバイトの「Double Extra Large DB Instance」は1時間あたり1.55ドル、68Gバイトの「Quadruple Extra Large DB Instance」は1時間あたり3.10ドルとなっている。また、格納されるデータの容量、インプットやアウトプットのリクエストの回数、データベースに書き込むデータの量、およびデータベースからのデータ読み込みの量に対しても課金される。
この記事は海外CBS Interactive発の記事を朝日インタラクティブが日本向けに編集したものです。原文へ
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