世界の大多数の人にとって、インターネットがますます使いやすいものになるかもしれない。ウェブのアドレスに英語以外の文字を使用できるようにするための提案が採決にかけられようとしている。
この変更案(PDF)は、国際化ドメイン名(IDN)として知られるもので、アドレス全体でアルファベット以外の文字が使用できるようになる。現在は、アルファベット以外の文字はアドレスの一部分だけでしか使用が認められていない。IDNは、中国語や韓国語、アラビア語によって文章を書くユーザーが、ウェブの閲覧に母国語を使えるようにするもので、世界中の多くの地域においてインターネットの使用を活発化させることになると期待されている。
ネットにおけるドメイン名の管理を統括するInternet Corporation for Assigned Names and Numbers(ICANN)は現地時間10月30日、ソウルで開催中の第36回国際公開会議(10月25日-30日)において、この歴史的かつ重大な提案を協議する予定だ。承認された場合、IDNは早ければ2010年中ごろにも実現する可能性がある。
ICANNの最高経営責任者(CEO)を務めるRod Beckstrom氏は、声明で次のように述べた。「今回の会議は、IDN計画が世界のインターネット環境の再形成に向け一歩近づいていることから、ICANNにとって非常に重要な会議となる。ソウルでは、インターネットの国際化における次の段階に向けて前進する計画だ。これは、最終的に世界のあらゆる地域の人々が、母国語の文章を使用してオンライン世界の大部分を行き来できるようにすることを意味する」
IDNは新しい概念ではない。これまで少なくとも10年は議論されてきた構想だ。なかには、このような仕組みが機能するのかどうか疑問視する人もいた。だが、変更を推し進めるうえで中国などの国が牽引役を果たした。
世界のインターネットユーザー16億人のうち、半数以上がアルファベット以外の文字セットによる言語を使用している。Beckstrom氏は、現在だけではなく、インターネットの使用が拡大をつづける将来のためにも、今回の変更が必要だと考えている。
IDNに潜む課題の1つは、正しいアドレスを配信するためには、ある文字セットを別の文字セットに変換する翻訳技術を使わなければならない点にあった。だがICANNは、この問題への対策を立てているようだ。
ICANNの会長であるPeter Dengate Thrush氏は、声明で次のように述べた。「われわれはこの問題を数年かけてテストしてきており、問題なく機能することを確信している。したがって実施に移すための準備は万端だ」
この記事は海外CBS Interactive発の記事を朝日インタラクティブが日本向けに編集したものです。原文へ
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