IDC Japanは10月14日、国内通信事業者のセキュリティサービス市場予測を発表した。2009年の市場規模は前年比19.9%増の3303億円と大きく伸びる見込みという。
2008年から2013年における市場規模推移では、年間平均成長率(CAGR)は16.8%、2013年の市場規模は5984億円に達するとしている。その内訳は、セキュリティ計画が747億円(CAGR17.0%)、セキュリティ設計・構築が1380億円(同12.8%)、セキュリティ運用・監視が3857億円(同18.4%)と予測している。
国内景気の後退を受け、インテグレーションを伴う大型案件は凍結、延期されるケースが多く見られた。一方で、ファイアウォールの運用管理、メール/ウェブセキュリティ、不正侵入検知など、汎用的でありながらシステムの総保有コスト(TCO)削減効果が見えやすいセキュリティ運用・監視サービスについては、自営システムからのシフトが進んで市場を牽引した。
国内通信事業者は2008年から2009年にかけて、情報漏洩対策としてエンドポイントセキュリティを強化するサービスのほか、急増するウェブアプリケーションの脆弱性を狙った攻撃に対応するためのゲートウェイ型サービスを展開している。
またグローバルキャリアは、セキュリティの専門組織であるセキュリティオペレーションセンター(SOC)をベースとして、脆弱性の診断や対策、ログ分析などを通じたアドバイスを提供することで、差別化に取り組むという傾向がある。
IDC Japanコミュニケーションズ シニアマーケットアナリストである川上 晶子氏は「企業規模によって、予算規模やセキュリティ対策を行う体制、セキュリティに関する到達レベルや課題が異なる。予算や体制の制約が大きい中堅中小企業にはクラウド型サービス、膨大なログの適切な管理・分析のニーズが大きい大企業には統合ログ管理サービスの提供などが有効である」と述べている。
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