1枚のカードでWiMAX方式とCDMA方式に対応--KDDI、WINデータ通信端末を発売へ

坂本純子(編集部)2009年09月30日 21時20分

 KDDIと沖縄セルラー電話は9月30日、WiMAX方式とCDMA方式を自動で切り替えて利用できるWINデータ通信端末「DATA01」「DATA02」「DATA03」「DATA04」を開発したと発表した。12月以降に順次発売する。Windows 7やMac OSにも対応する。

  • DATAシリーズ端末

 1枚のカードでWiMAX方式とCDMA方式のネットワークに対応し、双方の電波状況に応じて自動的に通信方式を切り替えるハンドオーバー機能を実装しているのが特長だ。法人向けには、接続先を限定する機能やイントラネットに接続する機能も備える。

 端末は、DATA01とDATA03がUSBインターフェースを搭載しており、DATA02とDATA04がExpress Cardインターフェースを搭載している。定額制に対応するのがDATA01とDATA02で、従量制に対応するのがDATA03とDATA04。

 WiMAXサービスエリアでは下り最大40Mbps、上り最大10Mbps、CDMAサービスエリアでは下り最大3.1Mbps、上り最大1.8Mbpsのデータ通信が利用できる。

 端末価格は2万〜3万円程度になる見通しで、月額料金は未定だが、WiMAX方式とCDMA方式の料金を合算して一括で払えるようにするという。

  • 「KDDI セキュアPCアクセス(仮称)」のシステムの流れ

 また同日、リモートデスクトップサービス「KDDI セキュアPCアクセス(仮称)」も発表された。11月9日より開始する。社外のリモートPCと自社のPCの間をKDDIのセキュアなセンターシステムでつなぎ、PCと携帯電話、USBキーを使って認証し、VPN接続によりリモートデスクトップでPCを遠隔操作できるサービスだ。

 KDDIがセンターシステムを運用することで、企業は新たなネットワーク整備をせずにリモートアクセスができる。また、認証には携帯電話とUSBキーによる多要素認証が必要で、2つのデバイスを使用することで高い安全性を確保できるという。

 USBキーは市販のものを利用できるようにし、導入コストを抑えた。また、今回発表されたDATAシリーズの端末をUSBキー代わりに認証端末としても利用できる。

 これらのサービスは、企業を取り巻く環境が労働人口の減少、業務の効率化、昨今の新型インフルエンザのパンデミックの状態などによって、徐々に複雑化してきており、不測の事態に備えて自宅や外出先から通常のオフィスと変わらない環境で安全に作業ができることが求められていることを受けたもの。

 一方で、費用対効果がはっきりしない不測の事態にITC投資をどれだけできるか、悩む企業が増えているという。それらの事情を受けて、安価に利用できる環境を構築できるようにしたのが、今回のサービスだ。

 初期費用は1契約あたり1万500円(税込み)。基本料金が1IDあたり月額1050円で、自席PCの電源を遠隔からONにする「Wake On Lan」機能を利用する場合、1IDあたり月額525円。

 今回のソリューションを通じて、法人向けに「高速」「安定」「セキュア」なアクセス環境をワンストップで提供したい考えだ。DATAシリーズの端末は、10月6日から開催される「CEATEC JAPAN 2009」でも展示するとしている。

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