Skypeの創設者らが設立したPtoPソフトウェア企業であるJoltidは米国時間9月16日、Skypeユーザーによって「米国で少なくとも1日に10万回」はJoltidの技術が侵害されているとして、Skypeを著作権侵害で訴えた。
これは、人気の高いVoIPサービスであるSkypeとその開発者らの間で発生しているライセンスをめぐる争いのまさに最新の動きである。この訴訟は、北カリフォルニアの連邦地方裁判所で提訴され、差し止め命令と損害賠償金の支払いを求めている。同訴訟によると、Joltidは「1日に7500万ドルのペースで損害賠償金が増えていると判断している」という。
Skypeの現在の所有者であるeBay、さらには9月にSkypeの65%の株式を買収し、eBayが35%を保持するとの取り決めをeBayと結んだコンソーシアムの投資家らも被告として名を連ねている。
Joltidの広報担当者は声明で、「SkypeはJoltidの著作権を侵害している」と述べ、「Joltidは弊社が革新してきたすべての技術について、著作権とそのほかの知的財産権を積極的に行使していくつもりだ」と語った。
eBayの広報担当であるJohn Pluhowski氏は声明で、「Joltidの主張は、基本的な法律や事実に関する誤認に基づくものであり、何の価値もない」と述べた。
この訴訟は、少なくとも現在進行中のSkype売却を複雑化させる可能性をはらんでいる。しかし、eBayは過去に、Joltidから得ているソフトウェアを置き換えるeBay独自のソフトウェア開発に取り組んでいると述べた。
eBayは2006年、Skypeを26億ドルで買収した。しかし、Skypeの鍵となるPtoP技術(「Global Index Software」)の権利については、共同創設者であるJanus Friis氏とNiklas Zennstrom氏が、両氏の設立したJoltidを通してその後も保持した。
同訴訟によると、Joltidは、SkypeがGlobal Index Softwareの無許可バージョンのソースコードを入手して、無断で修正を施し、同ソフトウェアを第3者に開示したといわれていることを知り、同ソフトウェアのライセンス供与を打ち切ったという。
JoltidとSkypeはそのライセンス打ち切りをめぐって、英国で別の訴訟を抱えているが、本件の裁判が始まるのは2010年6月のことだ。Skype売却に関してeBayが米証券取引委員会(SEC)に提出した書類では、この訴訟に言及して、「Skypeの売却を完了する条件として、『(一定の制約を受ける)買収者の同意なしで、未解決のJoltid Limitedとの訴訟を和解することはできない』」と述べられている。
9月16日に提起された同訴訟では、Silver Lake PartnersやIndex Ventures Management、Michaelangelo Volpi氏、Andreessen Horowitz、Canada Pension Plan Investment Boardも、被告として名を連ねている。この訴訟は16日、The Wall Street Journalによって最初に報じられた。
この記事は海外CBS Interactive発の記事を朝日インタラクティブが日本向けに編集したものです。原文へ
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