仮想化テクノロジは一般ユーザーにも身近な存在に--ヴイエムウェアの取り組み - (page 4)

さらなる拡大

　以上のことから、VMwareには確かなチャンスはあるものの、顧客獲得は単純なものにはならないだろう。幸いなことに、同社では、進行中の取り組みがほかにもたくさんある。

　それらの取り組みの多くは、VMwareの中核であるサーバ仮想化ビジネスにより近いものだ。同社は、導入の初期段階における、サーバ効率の向上のために仮想化を使用するというアイデアを発展させて、テクノロジによってより柔軟性に優れたデータセンターが実現するという、より精緻なアイデアに移行しつつある。

　例えば、業務のピーク時に、大きな負荷がかかっているサーバから遊休サーバに仮想マシンを移動し、需要が縮小したときには仮想マシンを元に戻して遊休サーバを停止する、といったことが可能だ。このような最適化は、あらかじめ設定したポリシーで統制される自動化プロセスであることが増えている。

新興市場担当ディレクターSrinivas Krishnamurti氏
提供：Stephen Shankland/CNET

　VMwareは、クラウドコンピューティングのもう1つの面にも手を広げようとしている。それは、企業が自社のデータセンターの仮想化基盤から、サードパーティーが運用するリモートデータセンターにハウジングされた基盤に負荷を移すことができるというものだ。VMworldで、同社は、AT&T、Savvis、Terremark Worldwide、Verizon Businessがそのようなクラウドサービスを提供していると発表した。またVMwareは、標準化団体Distributed Management Task Forceを通じて、自社のクラウド基盤インターフェースの標準化に取り組んでいるとも述べた。

　こういったことすべてが意味するのは、VMwareがこれまでになかったほど激しくMicrosoftと競争しているということだ。それは、Microsoftが仮想化ソフトウェアを提供しているからというだけでなく、Microsoftがコンピューティング業界の主要なソフトウェア基盤の1つであることに慣れているからでもある。

　VMwareは、多くの製品でMicrosoftの地位を奪いつつある。コンピュータ、ストレージ、ネットワークに関するコンピュータハードウェアメーカーと関係を持っているし、企業のIT管理スタッフとの間でこれまでにないほど強力な関係を築きつつある。WindowsとWindows用管理ツールが片隅に追いやられるということはほとんど起きそうにないが、VMwareのアプローチによって、それらの重要性が弱まることはあり得る。

　VMwareが自社のビジョン全体を現実のものとするためには、なすべきことがたくさんあるが、同社はある程度の強みをもった立場からそれに取り組んでいる。