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東芝、新中期経営計画に好評価--早期に経営基盤を再強化へ

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 東芝が発表した新たな中期経営計画に注目が集まっている。株価は現在400円台後半の高値圏でのもち合い状態となっているが、今後の上昇に期待感が高まってきた。

 同社は8月5日、2011年度を最終年度とする3カ年の中期経営計画を明らかにした。それによると、経営指標として2011年度連結営業利益を、従来予想の5000億円から3500億円(売上高営業利益率4.4%、2009年度の必達目標1000億円、2010年度には2500億円)としている。売上高についても従来予想の10兆円から8兆円(2008年度実績比20%増)へと下方修正している。

 自己資本比率、D/Eレシオ、ROIは、西田前社長時代と変わらず、それぞれ20%、100%、15%を目標としている。また、2009〜2011年度の設備投資計画については、2006〜2008年度に比べて5434億円減となる1兆1000億円(内、電子デバイス向け5400億円)としている。

 また、メモリ事業については、投資の効率化・リターンの極大化を目指し、新規増強ではなく微細化投資、既存ラインのスループット上昇で需要に対応、需要動向を先読みした柔軟な生産対応を行う方針だ。さらに、原子力発電事業は2015年までに39基の受注を目指し、2015年度の売上高目標を1兆円としている。

 主力事業ごとの売上配分についても変更し、従来計画では電子デバイス事業が全体の68%を占めるとしていたが、これが49%にまで圧縮された。これに代わって原子力発電事業などの伸びが見込まれる社会インフラ事業の比率を従来の15%から28%へ高めた。

 中期的な成長分野として期待を集めているのが、この原子力発電事業だ。すでに、米国では32基以上の新設計画のうち8基を受注、中国では50基以上の新設計画のうち4基を受注している。会社側は、「更なる受注獲得と供給体制の強化を図り、2015年までに全世界ベースで39基の受注を見込む」としている。

 今後のNAND型フラッシュメモリの生産方針については、単純にフル生産し続けることなく、需要の変動を十分に考慮しながら供給過剰による市況低下を回避していく姿勢だ。そのため、半導体部門の中に需要予測をする専門のマーケティング部隊をつくる。そこでしっかり予測をした上で、市況に応じて柔軟な対応を目指す。

 固定費については、2009年度は当初2008年度に比べ3000億円の削減を計画していたが、さらなる削減目標として3300億円以上を掲げている。その達成に向けて毎月のフォローを徹底する方針。2010年度以降は、利益ある持続的成長を目指した売上計画としたが、コスト構造、特に固定費については、売上見合いで過度に増えることが無いよう一定の水準を保って行く方針。

 新たな中期計画は、世界的な経済環境の激変により、従来の計画数値に比べて下方修正を強いられているものの、経営基盤の再強化に早期に取り組もうという積極姿勢が感じられる。原子力発電事業の中期的な収益向上軌道の明確化や、NAND型フラッシュメモリの価格堅調推移などもあり、株価面でも中長期的に評価が高まることになりそうだ。

 同社の株価は7月13日に318円安値を付けて以降、順調に下値を切り上げて、8月26日には486円の高値を付けた。8月21日申し込み現在の東証信用残高の信用倍率が0.80倍と売り長となっていることもあり、今後の株価は500円台での推移が予想される。

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