最新の調査によると、電子ペーパーは大きな成長が見込まれる市場だという。
市場調査会社のDisplaySearchが米国時間8月26日に発表した予測によると、電子ペーパーディスプレイの売上高は2009年の4億3100万ドルから、2018年には96億ドルまで急増するという。
販売台数は2009年の2200万台から、2018年には18億台まで増える見通しだ。
現在、電子ペーパーの主な用途で、販売をけん引しているのは電子書籍だ。Amazonの「Kindle」やソニーの「Reader」といった電子書籍リーダーの多くは、E Inkの電気泳動ディスプレイ技術を使用している。富士通の「Flepia」など、コレステリックLCDと呼ばれる別の技術を使用する電子書籍端末もいくつかある。Flepiaにはカラーディスプレイが搭載されているが、KindleやReaderよりも高価である。
「電子ペーパーディスプレイは、消費電力の少なさと読みやすさ、特に日光の当たるところでも読みやすいことが消費者に受けて、人気が高まっている」とDisplaySearchのディスプレイ技術担当ディレクターであるJennifer Colegrove氏は述べた。「さらに、電子ペーパーは紙の消費量を減らすという点で『グリーン』でもある」(Colegrove氏)
調査結果によると、市場で販売される電子書籍端末の機種数は順調に増加しているという。2003年に1機種だったのが、2006年には3機種、2007年には5機種まで増加し、2009年には約20機種に達した。
富士通のカラー電子書籍端末Flepiaには視覚的な魅力があるが、値段の高さと、カラー電子書籍の技術面での難しさが原因で、2011年まで売り上げはそれほど伸びないだろう、とDisplaySearchは主張する。より人気のある電気泳動ディスプレイ技術は、これからも市場をけん引し続け、2018年には売上高が58億ドルに達する可能性が高い。
しかし、調査結果によると、ほかのディスプレイ技術は成長が見込まれるという。窓やそのほかのガラス製品でよく使用されるエレクトロクロミックディスプレイは、スマートラベルやカードディスプレイの市場をターゲットにするようになる。2013年には、エレクトロクロミックディスプレイが主要な電子ペーパーディスプレイ向け技術になるだろう、とDisplaySearchは予測している。
別の技術であるMEMS(微細電子機械システム)は今後数年で、携帯電話ディスプレイから、カラーおよび中型電子書籍へと市場をシフトしていく見込みである。
この記事は海外CBS Interactive発の記事をシーネットネットワークスジャパン編集部が日本向けに編集したものです。 原文へ
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