全米通信労働組合(CWA)の新しいレポートによると、米国におけるインターネットの平均ダウンロード速度は、他の27カ国よりも遅いという。
各国の平均ダウンロード速度を比較したランキングで、約5.1Mbpsの米国は、20Mbpsを超える第1位の韓国に大幅に遅れをとっている。2007年の米国の平均ダウンロード速度は3.5Mbpsで、それ以来1.6Mbpsしか向上していない。この調子で行くと、米国が現在の韓国の速度に追いつくのに15年かかる、とレポートは指摘している。
CWAの「2009 Report on Internet Speeds」は、米国の50州すべてのインターネットパフォーマンスも比較している。
米国の北東部や中部大西洋岸諸州のインターネットユーザーは、南部や西部のユーザーよりも速いスピードを享受していることが、レポートで明らかになった。州別の平均ダウンロード速度ランキングで上位の5州は、デラウェア州(9.9Mbps)、ロードアイランド州(9.8Mbps)、ニュージャージー州(8.9Mbps)、マサチューセッツ州(8.6Mbps)、ニューヨーク州(8.4Mbps)だった。
同ランキングで最も遅い5州は、ミシシッピ州(3.7Mbps)、サウスカロライナ州(3.6Mbps)、アーカンソー州(3.1Mbps)、アイダホ州(2.6Mbps)、アラスカ州(2.3Mbps)だった。
CWAの会長であるLarry Cohen氏は次のように述べた。「居住地に関係なく、すべての米国人が手ごろな料金で高速インターネットにアクセスできてしかるべきだ。これは、経済成長に不可欠であり、米国の国際競争力を維持するのに役立つだろう。だが残念ながら、インターネット接続の増強に向けた政府プログラムの断片化と民間部門の不均衡な対応のせいで、米国のデジタル格差は放置されてきた」
米国は高速インターネット接続を促進する国家政策を持たない唯一の国だ、とレポートは指摘した。だが、状況は間もなく変わるのかもしれない。
2009年に成立した「米国再生再投資法」には、2010年春までに全米規模のブロードバンド計画を連邦議会に提出し、国内の地方や僻地に高速インターネットを整備するため72億ドルの助成金を交付する、という条項も含まれている。
これは正しい方向への一歩だ、とCWAは述べた。だが、CWAはさらに具体的な改善を期待している。
レポートの中でCWAが要請した措置として、下り10Mbpsと上り1Mbpsの速度を実現するインターネットインフラを2010年までに整備すること、より高速な接続を提供するプロバイダーを課税面で優遇すること、低所得世帯にコンピュータとブロードバンド機器を提供するために助成金を交付することなどが挙がっている。
2009年のレポートは、CWAの最新の「Speed Matters」テストから得たデータを使用してまとめられた。Speed Mattersテストは、ネット上で最も近いサーバとの通信に要する時間を測定する。このテストは、2008年5月〜2009年5月のデータを収集し、41万3000人以上のインターネットユーザーの速度を追跡した。
この記事は海外CBS Interactive発の記事をシーネットネットワークスジャパン編集部が日本向けに編集したものです。原文へ
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