シンプルで使いやすく、社会現象になるほど人気の高いものを構築すると生じる問題の1つは、それを最初に考案したのは自分だと主張する人物が必ず現れることである。
当然の成り行きとして、Twitterにもそれが生じた。2009年8月に入り、Twitterを相手取った特許訴訟が、TechRadiumという名のテキサスを拠点とする企業の名前で起こされた。同社は、「グループ管理者、つまり『メッセージ作成者』が、『メッセージ登録者』のグループに所属するメンバーに対し、電子メールやテキストメッセージなどのプラットフォーム上で、複数の通信ゲートウェイを介して単一のメッセージを同時に配信することを可能とする」特許を保有している。
より具体的には、TechRadiumの技術は、緊急時対応の目的に向けて、大量のメッセージを一括送信することが可能な「Iris」という製品に適用されている。同訴訟では、Twitterのサービスが「販売または使用の申し出、あるいはTechRadiumのライセンスまたは承諾がない状態でのこれら製品の販売または使用」に該当すると主張している。
訴状によると、TechRadiumは「実質的かつ多大な損害をこうむった」と主張しているが、それ以上についてはあまり具体的に示していない。「原告側は、特許侵害による損害の範囲全体をまだ把握しておらず、調査と特別な会計処理を実施しなければそれを確認することができない」という。損害賠償については、同社は「法律が定める最大の金額を下回らない額」を要求している。
TechRadiumの目的が賠償金なのかどうかは、筆者にはよくわからない。なぜならWiredが報じているように、2社の類似点は、「最新技術の極めて一般的な使用」であるように思われるからだ。「マイクロブログ」を提供するのはTwitterだけではなく、Jaiku(Googleが買収し、現在は事実上の棚上げ状態にある)、Pownce(Six Apartが買収し、閉鎖)、Plurk(稼動中だが、最近うわさを聞かない)も存在する。一括メッセージ配信の分野には、Yahooのうまくいっていない「Mixd」、Googleのこちらもうまくいっていない「Dodgeball」、そしてMicrosoftのまだ実験段階にある「Vine」もある。Vineには、緊急時管理の機能もある。
この記事は海外CBS Interactive発の記事をシーネットネットワークスジャパン編集部が日本向けに編集したものです。 原文へ
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