比較.comがストップ高で年初来高値の更新間近--「継続企業の前提に関する注記」の記載も解消 - (page 2)

 ただ、株式市場が好感したのは決算数字よりも、今回の決算書で「継続企業の前提に関する注記」の記載が解消されたこと。2期連続で営業損益が赤字となっていたことを受け、2008年6月期から2009年6月期第3四半期まで注記が記載されていたが、ショッピング比較サービスのシステム再構築や中核事業である投資比較関連サービスの拡充、不採算サービスからの撤退などを行うことで経営改善計画の達成が確実視されるとし、注記の記載を解消するに至った。

 業績面には改善色が出始めているが、今期計画の黒字幅は微々たる幅。業界ではカカクコムが圧倒的な強さを誇って一人勝ちとなっている状況には変わりがなく、比較.comにとっての厳しい戦いは今後も続く。株式市場の関係者から「カカクコムの二番煎じ」と揶揄されていた企業であり、継続企業の前提に関する注記の記載解消は好感すべき材料ではあるが、中長期的な視点から見た競争力や差別化戦略への懸念は晴れていない。

 インターネットサービス産業では業界やプレーヤー、ユーザーの成熟化によってトップ企業以外が稼ぎにくい状況になりつつある。ニッチ分野とも言える価格比較サイトで生き残るには巨人・カカクコムと対抗する必要がある。しかし現在の比較.comからは、そのための明確な武器が見えてこないというのが株式市場の同社への評価のようだ。

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