非常に珍しいことだが、議論を呼んでいる辞書アプリケーションに関わる「App Store」の承認プロセスについて、Apple幹部が公式にコメントした。
Appleのワールドワイドマーケティング担当シニアバイスプレジデントで、Steve Jobs氏に代わって2009年1月の製品発表イベントに登場したPhil Schiller氏が、Daring FireballのJohn Gruber氏に電子メールを送り、Matchstick Software製の辞書アプリケーション「Ninjawords」の承認プロセスに関してコメントした。Ninjawordsは複数の好ましくない単語の定義を表示するとして、当初、App Storeでの公開を拒否された。Schiller氏によると、Appleは決して同アプリケーションを直接検閲していないが、対象年齢を17歳以上とすることが適切だと感じたと説明し、ペアレンタルコントロールの機能を持つiPhone 3.0ソフトウェアが6月に登場するまで対象年齢評価は正式のものでなかったため、このタイミングの悪さが混乱を招いたと述べた。
Ninjawordsは、Wiktionary.orgを利用して言葉の定義を表示するため、「Oxford English Dictionary」に収録されるような語だけでなく、もう少し広い範囲の言葉が取り上げられている、とSchiller氏は語った。「この理由からAppleは、最初のNinjawordsの公開を拒絶した。Ninjawords開発者には一部の卑猥な単語に関する情報を提示し、ペアレンタルコントロールがiPhoneに導入された時点で改めて同アプリケーションの承認を申請してもらうよう、開発者に提案した」と、Schiller氏はGruber氏への電子メールに記している。
こうしたApple側の考え方に、Ninjawordsの開発者が完全に納得したわけではない。「Appleはわれわれのアプリケーションの対象年齢を17歳以上にして、『アプリケーションの検閲を求めているのではない』ということにしたいのかもしれない。しかし同時に、そうすることでわれわれに相当の圧力をかけてもいる。App Storeでの唯一の不適切な辞書に、誰がなりたいと思うだろう?」と、Matchstick SoftwareのPhil Crosby氏は述べた。App Storeで提供されている他の辞書の中には、一部には不適切だと思う人がいるかもしれない言葉が含まれているのに、映画のR指定と同じような制限を求められていないものがいくつかある、とCrosby氏とGruber氏は指摘した。
この記事は海外CBS Interactive発の記事をシーネットネットワークスジャパン編集部が日本向けに編集したものです。原文へ
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