オークション大手eBayは、インターネット電話サービスを手がける傘下のSkypeを独立した公開企業としてスピンオフする計画を発表しているが、行く手には障害が待ち受けている。ライセンシングに関して論争が続く中、Skypeの創設者たちが技術の一部を取り返そうという動きを見せているからだ。
米国時間7月29日にBloomberg.comが報じたところによると、eBayの結論は、新たに作り出す、ということのようだ。
これは米証券取引委員会(SEC)に提出された四半期報告書で明らかになったが、eBayはこの書類に書かれている以上のコメントはしていない。継ぎはぎした製品ができたとして、それにふさわしい名称は「フランケンスカイプ(Frankenskype)」だろうか、それとも「スカイペンシュタイン(Skypenstein)」だろうか。
これまでのいきさつはこうだ。Skypeの共同創設者たちはJoltid Ltd.という会社を設立しており、この会社はいまでもSkype技術の一部の権利を保有している。Joltidは、eBayにSkypeの全コードを使って何でも望み通りのことをする権利はないと非難しており、一方のeBayは、同技術を取り戻そうとJoltidを訴えている(まるでシリコンバレーで墓の暴き合いをしているようでないか?)。しかし、やっかいなのは裁判が2010年6月まで開廷しないことで、eBayが計画するSkypeのIPO計画にとって大きな障害となり得る。
そのため、eBayはSkypeソフトウェアの全体的な再構築に取り組んでいるというわけだ。
しかし、少なからず問題はある。「この新しいソフトウェアは高くつくだろうし、使い物にならない可能性もある」とBloombergの記事は述べ、次のようにも報じている。「Skype創設者たちとの論争が解決しなければSkypeを停止しなければならないかもしれない、とeBayは語っている」
eBayは2005年にSkypeを26億ドルで買収したが、相乗効果が得られないことを認めている。Skypeの売却先を、Googleも含め検討していると噂されたが、eBayは最終的にIPOの道を選んでいる。
この記事は海外CBS Interactive発の記事をシーネットネットワークスジャパン編集部が日本向けに編集したものです。原文へ
CNET Japanの記事を毎朝メールでまとめ読み(無料)
ZDNET×マイクロソフトが贈る特別企画
今、必要な戦略的セキュリティとガバナンス
「程よく明るい」照明がオフィスにもたらす
業務生産性の向上への意外な効果
ものづくりの革新と社会課題の解決
ニコンが描く「人と機械が共創する社会」