「10 Minute Mail」は、10分間だけ利用可能なフリーのメールアドレスを発行してくれるウェブサービスだ。サイトにアクセスするだけで任意の英数字を組み合わせた使い捨てのメールアドレス、いわゆる「捨てアド」が発行され、自由に(ただし10分だけ)利用することができる。
インターネット上で何らかのサービスに登録する場合、メールアドレスによる認証を求められるケースが多い。信頼のおけるサービスであればまだしも、素性の知れない運営元にメールアドレスを開示することに抵抗がある人は少なくないだろう。また、売買目的でメールアドレスを収集しようとする悪意ある業者が、何らかのサービスへの登録を偽ってフォームを設置している例もないわけではない。
このような場合に本サービスを利用すれば、自分自身のメールアドレスを開示しなくとも、サービスへの登録および試用が可能になる。もちろんサービス提供側を欺くような使い方は好ましくないが、スパム防止の観点からメールアドレス認証専用のフリーアドレスを別途用意している人も少なくないのが実態だろう。このような場合において、本サービスを自衛手段のひとつとして知っておいて損はないと言える。
競合サービスと比べた場合のメリットとして、長文メールの受信が可能なことが挙げられる。試用してみた限りでは、1万文字を超えるメールも問題なく受信できた。競合のサービスでは文字数制限や行数制限がある中、メールマガジンなどの長文メールもまるごと受信できるのはありがたい。また、10分で足りない場合は画面上のボタンをクリックするだけでさらに10分間延長ができるので、途中で時間切れとなることもない。
本サービス自体がスパム目的で悪用されるのを防ぐためか、メールの新規作成はできないようになっている。メール本文に含まれるURLについても自動的にリンクは張られず、通常のテキストで表示されるという徹底ぶりだ。また、添付ファイルも無視されるので、ファイル転送のような用途には利用できない。
広告が少なく画面がスッキリとしていることもあり、シンプルイズベストで好感が持てる本サービス。残念なのは、発行されるメールアドレスに好みの文字列を指定できないこと、また返信および転送機能を利用すると文字コードの関係で文字化けしてしまうことだ。基本的には、ワンタイムのメールをブラウザ上で読むだけという用途になりそうだ。
CNET Japanの記事を毎朝メールでまとめ読み(無料)
ものづくりの革新と社会課題の解決
ニコンが描く「人と機械が共創する社会」
「程よく明るい」照明がオフィスにもたらす
業務生産性の向上への意外な効果
ZDNET×マイクロソフトが贈る特別企画
今、必要な戦略的セキュリティとガバナンス