最近「わけあり商品」「わけありグルメ」という言葉をよく耳にする。ここでいう「わけあり」とは、形状やサイズが不揃いのため、一般市場では正規品として販売できない商品のことを指している。
一般商品と同様の味・品質を保ちながらも、規格外、キズモノなど、というだけで、定価販売からはずれ、格安で販売されている。売りたい販売店と、買いたいユーザーとのニーズが一致した「わけあり商品」。最近では大手スーパーも自社ブランドのわけあり商品を低価格で販売するなど、小売店市場でも「わけあり」ブームは浸透しつつある。
大手ショッピングモールでも「わけあり」特集は組まれている。楽天市場、Yahoo!ショッピングでも、わけあり商品は集客数を伸ばしている。
サイト名 | 利用者数 (千人) | 対前月比 |
---|---|---|
楽天市場 激安「訳ありアイテム」 | 463 | 約2.0倍 |
Yahoo!ショッピング わけありグルメ | 234 | 約1.3倍 |
楽天市場やYahoo!ショッピング以外でも、ネット業界の各ECサイトは「わけあり」商品の特集を組んでいる。その中でも筆者が注目しているのは「ぐるなび食市場」が提供している「わけありグルメ特集」である。ここ3カ月間の「ぐるなび食市場」と「わけありグルメ特集」の集客状況をみてみる。
年月 | ぐるなび食市場 利用者数(単位:千人) | わけありグルメ特集 利用者数(単位:千人) |
---|---|---|
2009年3月 | 1022 | 340 |
2009年4月 | 1086 | 392 |
2009年5月 | 1143 | 377 |
「ぐるなび食市場」の利用者は上昇傾向にある。その中で、「わけありグルメ特集」は安定した利用者数を保持しサイトの約3割強を占めている。なぜ「わけあり」グルメがここまで浸透しているのか?
「わけあり」商品は、格安価格で販売されている。しかもECサイトであれば、現地に赴かなくても新鮮なグルメが手頃な価格で楽しめる。ぐるなび食市場のわけありグルメ特集では、そういった高級食材を食品別に分類し、低価格で販売しているのが人気を集めている理由のひとつと考えられる。
また、ぐるなび食市場には「ぐるなびアウトレット」というコンテンツがあり、業務用商品をネットで取り寄せることが可能である。プロ志向の強い一般ユーザー向けに、本格的な商品を業務用低価格で届けるという斬新な発想もおもしろい。
このほか「ぐるなび 銘店おとりよせ」など、老舗日本料理店のメニューをお取り寄せできるコンテンツもある。「ぐるなび食市場」では、こうした新しい取組みにも積極的である。
今後はどういった「わけあり」商品がでてくるのか、筆者は楽しみに、毎日各ECサイトを巡回している。
(ネットレイティングス アナリスト 下津 有希)CNET Japanの記事を毎朝メールでまとめ読み(無料)
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