Palmは、同社の新スマートフォン「Palm Pre」発売前の最後の四半期となった2009会計年度第4四半期(2009年3-5月期)決算で、大幅な損失を発表した。しかし、同社幹部は、Preが業績好転へのカギを握っていると見ている。
最高経営責任者(CEO)のJon Rubinstein氏は米国時間6月25日、同社決算報告に関する電話会議で、6月6日に発売されたPreの売れ行きは「堅実で、順調に伸びている」と述べた。
Rubinstein氏は、タッチスクリーンと「webOS」と呼ばれる新OSを搭載したPreの具体的な販売台数は明かさなかったが、「Preのローンチを極めて嬉しく思う」と付け加えた。アナリストの試算によると、Preは発売後の数日間で、5万〜10万台が販売されたという。Preは、Sprint Nextelのネットワークでのみ使用可能だ。
25日に2009会計年度第4四半期の低調な決算を発表したPalmにとって、これは嬉しい知らせである。Palmの第4四半期の損失は9150万ドル(1株当たり損失は78セント)で、前年同期の損失4110万ドル(1株当たり損失は40セント)から赤字幅を拡大した。売上高は、71%減となる8680万ドルだった。
しかし、Appleの元幹部で、6月に入ってから前CEOのEd Colligan氏に代わってPalmの新CEOに就任したRubinstein氏は、Preを発売したPalmの方向性は間違っていないと考えている。
「Palm webOSとPalm Preのローンチは、Palmが変化する過程における大きなマイルストーンだった。われわれはいまや、正式に競争の場に復帰したのだ」とRubinstein氏は声明で述べた。「われわれが達成すべきことは、まだ山ほどある。しかし、Palmが輝かしい未来を切り開くための下地は、既にできている」(Rubinstein氏)
PreがすぐにAppleのiPhoneに追いつく可能性は低いが、アナリストは販売台数の大幅な増加を予測している。なかには、Palmが7月に約10万台、8月に約20万台のPreを販売すると予測するアナリストもいる。
Rubinstein氏は、PalmがPreの需要に対応できることを確信している、と述べた。
Palmは、低迷を続ける同社のスマートフォン事業の復活をPreに託してきた。しかし、Palmは、iPhoneのメーカーであるAppleや「BlackBerry」のメーカーであるResearch In Motion(RIM)など、競合他社との激しい競争に直面している。
Palm Preの普及を阻む可能性がある要因の1つに、Pre向けアプリケーションの種類の少なさが挙げられる。しかし、Palmの幹部は電話会議で、同社がユーザーにもっと多くのアプリケーションを提供すべく取り組んでいることを明かした。とはいうものの、市場調査会社のMedialetsは、Preユーザーがこれまでにダウンロードしたアプリケーションの数は100万以上に上るとする調査結果を発表している。
この記事は海外CBS Interactive発の記事をシーネットネットワークスジャパン編集部が日本向けに編集したものです。 原文へ
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