米ヤフー、バーツCEO就任後初の年次株主総会を開催--コンテンツと組織への注力をアピール

文:Tom Krazit(CNET News) 翻訳校正:編集部2009年06月26日 12時22分

 Carol Bartz氏が最高経営責任者(CEO)に就任して以来初となる米Yahooの年次株主総会は、これといった意外な出来事もなく幕を閉じた。Bartz氏は、コンテンツと組織に集中することで、Yahooを変えていくと約束した。

 総会における実際の決議は、簡潔だった。取締役会への再選候補者12人は、全員が承認された。Yahooによる3つの提案はすべて認可され、株主が提案した「役員報酬への発言権」は却下された。Bartz氏は、同氏がYahoo再建のために実施してきたことの説明に大半の時間を費やし、Yahooには戦略があり、それを「執行」することが必要なだけだと力説した。「執行」とは、つまり「年がら年中、大失敗をしないこと」を表すビジネス用語である。

 「われわれは、Yahooを訪れるすべてのユーザーが『すごい!』と言ってくれるような体験を提供すべく努力している」とBartz氏は述べた。Bartz氏は、Yahooのことを「最大のオンラインメディア企業」と評し、Yahooが検索だけでなくコンテンツも手がける企業であることを、数回にわたって株主に強調した。もちろん、これには過去数年間でYahooの株価を大幅に上回ったGoogleとの比較を避けたい意図がある。

 株主は、発言する順番が回ってきた際、いくつかの厳しい質問を浴びせた。Bartz氏は、中国政府が都合の悪い情報へのインターネットアクセスを積極的に遮断しているこの状況下で、中国の人権問題に対するYahooの取り組みをどう擁護するのか、と2度に渡って質問された。

 Bartz氏は、Yahooがそうした厳しい取り締まりを望んでいないことを明確にしたが、「Yahooは中国を正しい方向に導くための企業ではない」とも述べた。

 株主の1人は、有名人のゴシップ記事を主要アイテムとして取り上げることの多いYahooのホームページについて、「ホームページの知的レベルを下げる」のをやめるようBartz氏に求めた。Yahooは、Bartz氏が「fluffmeter」と呼ぶ機能をユーザーに提供する方法を模索している。これは、例えば、ユーザーがYahooを訪れた際、Jon氏とKate氏(「Jon & Kate Plus 8」というリアリティ番組に出てくる夫婦)に関するニュースをどれだけ見たいか、といった選択を可能にする機能。Bartz氏は詳細は明かさなかったが、この機能は2009年内のホームページ刷新時に実装されるようである。

 Bartz氏は、準備してあったコメントを約5分間述べ、そこで「われわれがMicrosoftと提携することになれば、それは公に発表されるだろう。そして、その発表があるまでは、何も話すことはない」と語り、Microsoftに関する憶測をすべて封じ込めた。これは、広報活動の入門書に書かれているような台詞だ。Bartz氏は、同氏が以前ほのめかしたような提携交渉が実際に行われているかどうかについて、肯定も否定もしていない。

 Bartz氏は、Yahooの株主が波瀾万丈の数年間を我慢してくれたことに対し幾ばくかの感謝の意を表して、総会を締めくくった。「Yahooの株主でいてくれて、ありがとう。そして、われわれを信頼してくれてありがとう」(Bartz氏)

この記事は海外CBS Interactive発の記事をシーネットネットワークスジャパン編集部が日本向けに編集したものです。 原文へ

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