Red Hatは、昨年買収したQumranetのKernel-based Virtual Machine(KVM)ハイパーバイザに基づく新しい仮想化製品のベータテストを開始したと、米国時間6月16日に発表した。
このテストは2月に同社が発表した「Red Hat Enterprise Virtualization(RHEV)」製品の開発を新たな段階に進めるものだ。RHEVのポートフォリオには、スタンドアロンのハイパーバイザ「RHEV-H」のほか、サーバやデスクトップ用の仮想化マネージャが含まれる。2月の発表時に同社は、2010年8月までの18カ月で製品を提供すると述べていた。
「われわれは仮想化ソリューションの包括的ポートフォリオを提供する独自の立場にいる。ポートフォリオにはスタンドアロンのハイパーバイザから包括的な仮想化管理製品スイートに対応した仮想化OSまでが含まれる」と、16日のベータテスト発表時に、同社のプラットフォーム事業部門バイスプレジデントを務めるScott Crenshaw氏は語った。
Red HatのRHEV戦略は、オープンソースの仮想化ソフトウェア「Xen」を開発、管理するXenSourceを買収したCitrix Systemsと直接競合することになる。また、MicrosoftやVMwareなど、仮想化製品を手がける企業とも競合する。
KVMはOS上で動作するのでなく、x86ベースのホストハードウェアで直接動作する、ネイティブ(「ベアメタル」)のハイパーバイザだ。Red Hatはこのハイパーバイザを「Red Hat Enterprise Linux(RHEL)5.4」に組み込もうとしている。さらに、Red Hat製品でこれまでXenをベースとしてきた仮想化システムもKVMに変える予定だ。しかし同社は、RHEL 5の製品寿命内において既存のXenベースの環境もサポートを継続するとしている。
「Red Hat Enterprise Virtualization Manager for Servers」は、仮想サーバと仮想デスクトップを通じて管理できる。この機能には、ライブマイグレーション、高可用性、システムスケジューラ、パワーマネージャ、イメージマネージャ、スナップショット、シンプロビジョニング、モニタリング、レポートなどが含まれる。同管理ツールはRHEL 5ホストとRHEV-Hを管理できる、とRed Hatは説明している。
「Red Hat Enterprise Virtualization Manager for Desktops」は、Qumranetの「Solid ICE」デスクトップ仮想化製品に基づいており、Qumranetのリモートレンダリングプロトコル「SPICE」を利用している。Red HatはKVMを開発したQumranetを1億700万ドルで買収したことを2008年9月に発表した。
この記事は海外CBS Interactive発の記事をシーネットネットワークスジャパン編集部が日本向けに編集したものです。原文へ
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