収益源は「寄付」、個人情報は「一切取らない」--ケータイゲーム「コロプラ」の不思議な魅力 - (page 3)

永井美智子(編集部)2009年06月17日 17時05分

 われわれは「投げ銭」と呼んでいるんですが、ユーザーからの寄付の割合がほとんどです。広告の収入は電気代や家賃代くらいにしかなっていないです(苦笑)。

 ただ、投げ銭を増やすためにはユーザーに本当に喜んでもらわないといけないので、より楽しく、より熱中していただけるものをいかに早く出して、満足してもらうかが重要だと思っています。

――石田屋の日光甚五郎煎餅と組んだキャンペーンを3月から展開していましたね。

日光甚五郎煎餅 ゲーム内の限定アイテム「日光甚五郎煎餅」

 創業101年という、素晴らしい老舗のお煎餅屋さんです。日光甚五郎煎餅というお煎餅をゲーム内のお土産アイテムとして追加して、店舗の半径1キロ以内でしか取得できないように設定しました。ユーザーには頑張って日光に行っていただく。お土産の画面にはクーポンが付いていて、これを見せればお店で実際にお煎餅がもらえます。また、コロプラユーザ様専用お得パックという、通常より安いお煎餅パックで、コロプラの特製シールが貼ってあるものも販売されました。これは先方の担当の方がコロプラを1年も使って下さっている熱烈なファンだったことから実現しました。

 お土産アイテムはほかのユーザーと交換するものなので、お煎餅の認知は間違いなく広がるんです。「日光といえば甚五郎煎餅」というのが、コロプラ上で広がりますし、実際にお煎餅を買って帰った人が地元で配れば、それも口コミにもなります。

 3月からの2カ月間で1000人以上のユーザーが石田屋本店を訪れました。実証実験的な部分もあったので、アイテムが無制限に買えてしまうなどの反省点はあるのですが、石田屋さんには非常にご満足いだけました。お店の方がとても親切だったということもあり、ユーザーからは「行ってよかった」という言葉しかなかったですね。

――6月8日には、石田屋を含む老舗4社と組んだ「スポンサーお土産」というサービスも始めました。

 老舗にこだわったわけではないのですが、ユーザーに紹介する以上、知られていないけれども良い物というのを選んで、趣旨に賛同していただいたのが4社だったということです。

 18時くらいまでしか空いていないにもかかわらず、3日間で200人くらいのユーザーが現地を訪れたそうです。今後は、現地でしか買えないような商品を扱っているところを中心に、200社くらいスポンサーが付けばと思っています。1年後から収益化していければいいなと。

――実際に店舗で買い物をしないと手に入らないプラスチックカード「コロカ」を配るそうですね。

 旅の思い出になるように、しっかりしたつくりのものにしました。コロカの右上には地図が書かれていて、どこに行ったかがわかるようになっています。

 同時に、サイト上でもどのコロカを手に入れたかが表示されるようになっているので、将来的にはこれを使ってゲームをするようなことがあってもいいかな、とは思っています。コロプラの世界観の中でできるといいですね。

コロカとスポンサーお土産

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