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ドワンゴ、下期に業績回復の兆し--新コンテンツにも期待

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 携帯電話向けサイト運営のドワンゴの株価は、中段もちあいを経て上放れのタイミングが近そうだ。景気全般の低迷に伴い広告収入の減少は続くものの、ゲーム事業やモバイル事業は比較的好調な推移をみせている。同社の今後の業績推移と株価動向を探った。

 同社が5月12日に発表した2009年9月期の3月中間期連結決算は、売上高132億円(前年同期比6%増)、営業利益4億1200万円(同12.8倍)、純利益2億1800万円(前年同期は4億9300万円の赤字)と利益が大幅な改善をみせた。「ニコニコ動画」は国内有数の動画投稿共有サービスに成長し、引き続き順調に会員数を拡大しており、2009年3月末現在の登録会員数は1193万7000人、また様々な特典を受けられる「ニコニコプレミアム会員」の会員数は31万1000人となった。さらに、携帯電話でも楽しめる「ニコニコ動画モバイル」の会員数は337万8000人となっている。

 3月中間期の業績について事業部門別に見ると、モバイル事業では、主力サイトである「着うた」、「着うたフルサイト」で、人気アーティストや人気楽曲の権利獲得を積極的に行ったことや、タイアップ企画などの施策により、3月中間期末の有料ユニークユーザー数は386万1000人(前年同期比5万1000人増)、ARPU(会員1人あたりの月間売上高)は393円(同12円増)となった。この結果、モバイル事業の中間期の売上高は87億8100万円(前年同期比6.8%増)、営業利益22億3800万円(同40.1%増)と大幅増益となった。

 ゲーム事業では、2008年11月に発売した人気シリーズの「侍道3」や「喧嘩番長3」、また今年2月に発売した「Midnight Club:Los Angeles」が好調な売れ行きを示している。ただ、その他のタイトルの販売は、計画に対して未達となっている。この結果、ゲーム事業の売上高は25億3800万円(前年同期比3.2%減)、営業利益4億7300万円(同89.5%増)となった。

 ポータル事業では、2008年12月に「ニコニコ動画(ββ)」をバージョンアップした後も、さらなるサービス強化を務めてきた。また、同社はこの事業の拡大に向けての重要課題として「一般化」と「収益化」を目標にしている。一般化では、優良なコンテンツホルダーとの関係強化を通して、性別や年齢にこだわらない様々なユーザーの趣味・嗜好に対応するコンテンツの充実を目的に「ニコニコチャンネル」の開設を行っている。

 一方、収益化については、プレミア会員入会導線の見直しや、人気サービスである「ニコニコ生放送」実施などが順調に伸びている「ニコニコプレミアム会員」からの有料サービス収入、メディアとしての認知度の向上などによる広告収入を図ってきた。この結果、ポータル事業の売上高13億5800万円(前年同期比68.9%増)、営業損失は8億8700万円の赤字(前年同期は5億9400万の赤字)と赤字幅が拡大した。

 同社は2009年9月期通期の連結業績について、売上高289億円(前期比15.7%増)、営業利益4億2000万円(同3.6倍)と予想している。2009年3月期の下期以降は、広告収入の回復が見込めるのに加え、新たなコンテンツとして気象情報配信サイト「天気・地震・台風速報」で、災害から美容・健康にまで役立つ情報配信をスタートさせており、注目を集めている。

 都市部で警戒感が強まっている「ゲリラ豪雨」対策として10分単位で雨の強さを測定し、設定したランク以上の雨でメールを配信する「10分降りダスメール」や、気象のプロが24時間・356日体制で各地の災害状況や気象現象を監視し、どこよりも早く記事として届ける「緊急防災ニュース」、さらに災害や一般気象ニュースに加え、気温が急上昇する際の熱中症に対する注意情報や、天気の変化による服装や肌ケアの切り替えを促すなど美容や健康に役立つ情報も盛り込んだ生活密着型の「お天気ニュース」の需要拡大に期待が寄せられている。

 同社の株価は、今年2月24日の安値11万9400万円をつけて以降順調に下値を切り上げて、5月14日には17万6300円の年初来高値を付けた。しかし、その後は調整色を強め、現在は15万円水準でのもち合い状態となっている。今後は15万円台固めから、中期的には20万円乗せを目指してのじり高歩調が期待できそうだ。

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