ZMPは6月9日、ロボット技術を搭載したカーロボティクス・プラットフォーム「RoboCar」の販売を開始したと発表した。同社によれば、こうしたプラットフォームは世界初という。カーロボティクスは自動車技術とロボット技術を融合させたもので、この分野の研究、教育を実現するためのプラットフォームだ。
実車のプラットフォームを使用した場合、膨大なコストと広大なスペースが必要となり、自動車関連メーカー以外の企業や大学では危険を伴う。これらの課題を解決し、低コストで省スペース、より安全かつ手軽に研究・開発、教育を可能にするためにRoboCarを開発したと説明している。RoboCarの開発期間は1年半だという。
RoboCarにはステレオカメラ、レーザーレンジファインダ、距離センサなど各種センサが搭載され、車体重量は3kg。通信ポートも4個ありGPSなどをつけた場合などを想定し車体を含め合計4Kgまでは大丈夫だという。また、APIも公開されておりユーザーによるプログラミングの自由度も持たせている。
画像認識プロセッサにはNECエレクトロニクス製の「IMAPCAR」が使用されている。従来のCPUでは画像単位で逐次処理を行っていたため画像処理に時間を要したり、高動作周波数と高消費電力が必要となった。IMAPCARを活用することで、ライン単位での並列処理が可能となり、リアルタイム処理、低動作周波数と低消費電力が実現されたという。
デザインを担当した有限会社znug design(ツナグデザイン)の根津孝太氏はロボットカーは未来のクルマと位置づけ、デザインする際にクルマの「頭」、センサーの「穴」、カメラは「目」という3つのポイントがあったと話した。それらを考慮し試行錯誤した結果、今回ひとつの形となったとのことだ。
6月末から出荷が開始され、国内価格は59万8000円からとなり、国内外合わせて初年度の販売目標は200台。RoboCarにすでに搭載されているリアルタイム画像認識モジュールも同日に受注が開始され価格は39万9000円。海外からの問い合わせもあることから、マーケットを広げていきたいとしている。
今回行われた3つのデモンストレーションの中から、レーザーレンジファインダによる障害物回避走行、白線検知によるレインキープ走行の中からを動画で紹介する。
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