カリフォルニア州カールスバッド発--米Yahooの最高経営責任者(CEO)であるCarol Bartz氏は米国時間5月27日、Yahooは単なるインターネットへのスタート地点以上の存在であるべきだと述べ、新しいYahooのアピールを試みた。
当地で開催されているD: All Things Digitalカンファレンスにおいて同氏は、「Yahooは単なるスタート地点ではない」と述べた。「人々はどこでも好きなサイトを訪問する。最初のころのようにすべてをお膳立てしてもらう必要はない」(Bartz氏)
しかしユーザーにはあちらこちら見て回る時間はない、と同氏は付け加えた。多くのサイトを訪問するものの、結局多くの時間をほんの数サイトで費やす。全オンライン接続時間のうちの12%はYahooのサイトにいると同氏は述べた。
同氏は、「ここは人々が、自分に関連性の深い情報を検索する場所である」と述べた。「ニュース、スポーツ、ホームページ、メール。Yahooは最高の場所だ」(Bartz氏)
「Yahooとは何か?」という問いに対する同氏の回答は、YahooのCEOとして同氏の前任者であるJerry Yang氏の、2008年のDカンファレンスでの回答とは対照的なものだった。
Yang氏は2008年5月、「私は、Yahooをユーザーに非常に関連性の深い便利なサイトにしなければならないと考えている。ユーザーがYahooで1日を始めてくれるようにしなければならない」と述べた。「Yahooを人々が1日の始まりにまず訪れ、そして1日のうちに何度も訪問する場所にしたい。それは、われわれの起源に沿い、革新に向けた準備が整った非常に強力な場所である」(Yang氏)
その後Yang氏は、Yahooをスタート地点とみなす見解に落ち着くこととなった。
Bartz氏は、同社が目指すべき方向性の1つは、個々のユーザーに特化したコンテンツを提供することであると述べた。「時代の進化に伴い、さらなるローカル化を図る必要がある」と同氏は述べた。「人々がYahoo Sportsで自分の高校のビデオを見るようになるべきた」(Bartz氏)
同氏の講演は、気の利いたやり取りで始まった。司会者のKara Swisher氏は、Bartz氏の登場を紹介する際に、同氏の講演を一番楽しみにしていたと述べた。
「皆さんがご存知のように、私はYahooとそれが繰り広げるメロドラマに夢中なのだ」とSwisher氏は述べた。
2009年1月に社外からYahooのCEOに就任したBartz氏も、それに応酬した。同氏は着席するや否や、今や悪名高い自身の毒舌に引っかけて、「ここで私の爆弾発言を期待しているのかしら?」と述べた。
Swisher氏が聞き出した話としては、Bartz氏が初めてYahoo CEO職について話を持ちかけられたときの状況(Jerry Yang氏がCisco取締役会の後に話しかけてきた)、興味があったか(興味はなかった)、Yang氏の説得方法(同氏宅での夕食)などがあった。
また、Bartz氏は、組織的な問題についても語った。
同氏は、「社外に比べて社内に大きなサイロがあった」と述べ、例として、Yahooホームページ部隊が他へのトラフィックの誘導を望んでいなかったことを挙げた。
Bartz氏は、製品の削減が必要という考えは否定したが、製品がよりソーシャルである必要はあると述べた。
Bartz氏は、「米国内でのリーチは76%」と述べ、「これらの人々の参加や満足感を維持する必要がある」と付け加えた。
この記事は海外CBS Interactive発の記事をシーネットネットワークスジャパン編集部が日本向けに編集したものです。 原文へ
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