Microsoftは米国時間5月19日、ユーザーが対価を支払ったどうかによってオペレーティングシステム(OS)の特定機能の利用を制限する手法について、特許を取得した。
「コンピュータにおける制限されたソフトウェアならびにハードウェアの利用」と題されたこの特許は、ユーザーが購入したバージョンに応じて機能を有効または無効にするソフトウェアの提供方法に関するもので、Microsoftはすでにこのコンセプトを使用している。
Microsoftではかねてから、該当バージョンに搭載されている機能のロックを解除する特別なプロダクトキーを利用して、1種類のディスクで「Windows 7」の全バージョンを提供する意向を表明している。ユーザーは新しいプロダクトキーを購入するだけで、Windows 7の上位バージョンにアップグレードできるという。
今回特許を取得した技術がこの新アップグレードに利用されるのかは不明だが、両者はよく似ているように思える。特許出願書類の中には「消費者が当初、全機能を搭載したコンピュータの価格よりも安い価格で、機能が制限されたコンピュータを購入する」という利用シナリオの記述がある。
「ユーザーは購入後、追加料金を払ってデジタルキーを入手し、制限を解除して全機能を搭載したバージョンにコンピュータをアップデートできる」とMicrosoftの出願書類は続けている。
Microsoftは長年、Windowsの汎用性を宣伝してきたが、今回の特許出願書類の中では、異なる機能を搭載した様々なバージョンを提供する必要性に言及している。
「オープンアーキテクチャシステム固有の問題は、通常、システムの購入者のニーズや希望を超えた完全な使用権および機能、または、その一方がライセンスを通じて付与される点だ」とMicrosoftは記している。「結果として、システムの購入価格が利用シナリオに連動していないため、ニーズが限定されているユーザーも、あらゆる機能を必要とするユーザーと同じ料金を払う必要に迫られる」
Windowsにはかなり以前から「Home」と「Professional」の両バージョンがあった。「Windows XP」では、発売されてから長い年月が経つうちに「Starter」「Media Center」「Tablet PC」の3バージョンが追加された。
Microsoftは「Vista」で、「Home Premium」「Enterprise」「Ultimate」の3バージョンを追加した。Vistaでも別のバージョンに移行はできるが、それには個別にディスクを用いる必要があった。
この特許の取得については、Slashdotが19日付で伝えている。
この記事は海外CBS Interactive発の記事をシーネットネットワークスジャパン編集部が日本向けに編集したものです。原文へ
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