ケンコーコムは5月12日、6月1日以降に医薬品がインターネットで購入できなくなる可能性があることを知らしめると同時に、多数の意見を厚生労働省に提出することを促すため、特集ページ「ヘンテコな規制を変えよう!」を開設した。また、同社の代表取締役社長である後藤玄利氏が理事長を務める特定非営利活動法人 日本オンラインドラッグ協会でも、同様の特集ページを開設した。
厚生労働省は5月12日に、「薬事法施行規則等の一部を改正する省令の一部を改正する省令案」(改正省令案)を公表すると同時に一般から広く意見(パブリックコメント)を募集し始まった。募集期間は5月18日までの1週間と異例の短期間だ。総合行政ポータルサイト「e-Gov」内に募集に関する詳細ページがある。
ケンコーコムの特集ページによれば、改正省令案では、6月1日以降に第2類医薬品(解熱鎮痛剤や風邪薬、胃腸薬、水虫薬、妊娠検査薬などの大衆薬)をインターネットで購入できるのは、以下の2つの条件のいずれかを満たす人だけに限定されるとしている。
ただし、この条件は2年間の期間限定で、2年後には条件を満たしていても第2類医薬品のネットでの購入ができなくなるという。
後藤氏は「少なくとも第2類の医薬品に関しては、必要とされる方に、ケンコーコムのようなネット薬局・薬店から販売できて当然だと思っています」と、この改正省令案に反対すると共に、「厚生労働省が提案している規制案を変えることは大変困難ですが、もしもこの省令案がおかしいと思った方は、どうか厚生労働省のパブリックコメントに参加してください。おかしいと思うあなたの率直な声が、おかしな規制を食い止め、これからの世界を変えるのです」と訴えている。
今回の改正省令案は、「第5回医薬品新販売制度の円滑施行に関する検討会」において厚労省から突然提示され、検討会のメンバーは大いに困惑した。この検討会は、舛添要一厚生労働大臣が「(6月1日から完全施行される改正薬事法について)議論がまだ十分につくされていない」「国民的議論がなされてない」とし、みずからの指示で設置した検討会だ。5月11日に開催された第6回同検討会においては、厚労省から改正省令案の具体的な内容が説明されたが、検討会のメンバーからは内容に対する疑問が相次ぎ、厚労省に対する不信感も噴出した。
パブリックコメントは5月18日に締め切られるが、その後は5月22日に予定されている第7回検討会において再度議論される見通しだ。そして、おそらく5月最終週に改正された省令が公布されるだろう。
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