CMSベンダーであるFatWireでは、2007年からペルソナを自社のマーケティングに活用し、従来の広告のあり方、ウェブサイトのあり方を大きく見直した。この連載では2007年より取り組んだ5つのペルソナ開発の経緯、各ペルソナからのクロスチャネルマーケティングの事例、ペルソナからCMSを段階的に「エンゲージメントツール」として展開する方法など、実践プロセスを解説する。
FatWireは米国FatWire Software(NY,Mineora)の日本法人で、親会社は日本以外にヨーロッパの各国、アジアの各国に拠点を持ち、従業員200名程度の小さなグローバル企業である。開発販売しているものは「CMS」と呼ばれるウェブサイトを管理する製品で、「FatWire Content Server」が中心製品である。周辺のオプションやCMS以外の製品などもあるが、基本的には単一商品のベンダーと位置づけられる。
「小規模なグローバル企業」「単一の製品」ということで比較にならないかも知れないが、「システム」として考え、「FatWire日本法人は大企業のひとつの課・係・班」と捉えることで、異なる規模、異なる業種でもFatWireで実証実験を行ったペルソナマーケティングが参考になれば幸いである。
なお、「ペルソナ」とは企業が提供する製品・サービスによって最も重要で象徴的な顧客モデルのことだ(ペルソナコンソーシアムより)。
FatWireでは、毎年第4四半期になると翌年度の予算を確定することが重要な仕事になる。そして、この仕事は、翌年度の経済状況などの環境を研究する必要がある。「環境研究」とは具体的には未来を予測することだが、その手法は、
などまだ他にもあると思うが、これらの手法のうち「単純外挿法」で予測すると2008年の経済は好況ということになる。「シナリオ・ライティング法」でシナリオを「こういう不況になる」と具体的にまとめてみると、その後に集まって来る情報のほとんどは矛盾がなかった。
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