BBCの報道によると、Amazon.comは、同社英国サイトに対する行動ターゲティング広告システム「Phorm」の使用を阻止したという。
今回の動きは、欧州のデータ保護法を適切に遵守していないとして欧州委員会が英国に対して実施する法的処置に伴うものである。
ZDNet UKの報道によると、英国に関する今回の件については、British Telecom(BT)が2006年と2007年に実施したPhormの試験導入に対し、苦情が上がったことを受けて、欧州委員会が措置を開始したという。同試験ではBritish Telecomが、ユーザーの同意を得ずに同社ネットワークにPhormの行動追跡技術を導入していた。
現地時間4月15日午前の時点でAmazonから直ちにコメントを得ることはできなかった。
一方Phormは、次のような声明を発表した。
「システム適用から除外してほしい旨をサイト運営者がPhormに通知するための手続きが用意されているが、個々の事例についてはコメントを差し控える」
Phormの技術は、訪問したウェブサイトや入力したキーワードといったユーザーのオンライン時の行動を観測し、その行動に基づいてそのユーザーに関連性の高い広告を提供するためのものである。Phormの技術に対して繰り広げられている論争は主に、プライバシー問題に関するものだ。
オンラインEコマース大手Amazon.co.ukは、Phormプラットフォームを利用するBritish TelecomのWebwiseと連絡をとり、自社のすべてのドメインを同プログラムから除外するよう要請したという声明を発表したとBBCは報じている。BBCの報道によると、Phormは、同社には顧客が同社システムの適用除外を要請できるというポリシーが存在すると述べているという。
これこそThe Open Rights Groupが多くの大手ウェブサイト運営者にとってほしいと望む行動である。BBCの報道によると、同団体は2009年3月、Google、Yahoo、Microsoft、eBay、Amazonに対し、 Phormシステムの適用除外を要請するよう求めたという。
そしてこれらの企業のうち、最初に行動に移す姿勢を見せたのがAmazonであったとBBCは報じた。
この記事は海外CNET Networks発のニュースをシーネットネットワークスジャパン編集部が日本向けに編集したものです。海外CNET Networksの記事へ
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