不況の嵐が吹き荒れる海で、オンラインオークション大手のeBayがStumbleUponを海に投げ捨てた。StumbleUponはウェブサイト発見サービスを提供する新興企業で、eBayが2007年におよそ7500万ドルで買収した。
冒頭では今回の売却劇を航海シーンに例えて表現したが、これをお酒のシーンに置き換えて表現すると、これは、Web 2.0の全盛期に買収の美酒に酔いしれたeBayの二日酔いの兆候のようにも見える。eBayはStumbleUponの技術を使って、同社が扱う製品の推薦機能を強化すると見る向きが多かったが、両社は互いに調和する手段、つまり事業統合から利益を上げる手段を見出せなかった。インターネット電話サービスの新興企業Skypeの買収にいたっては、eBayの買収グセがより声高に非難されるようになった。eBayは、2005年にSkypeを26億ドルで買収した。Skypeのサービスは好評を博していたが、eBay内で同サービスの長所を明確に生かせる適所を見出せなかったことから、かなり以前からeBayから独立し単独で運営した方が良いのではないかとの声が上がっていた。
StumbleUponの売却の金銭的条件は明らかにされていないが、同社は、創業者であるGarrett Camp氏(スピンオフ後、最高経営責任者に就任)とGeoff Smith氏の2人と、ベンチャーキャピタルのAccel PartnersとAugust Capital、さらにSherpalo VenturesのRam Shriram氏に売却されたようだ。
Camp氏は声明の中で、「eBayの指導に感謝する。しかし、われわれの実感としては、eBayとStumbleUponの間に長期的な相乗効果はほとんど見られなかった。ここは両社を分離し、それぞれの強みに特化するのが最善策だ」と述べ、さらに「この変化により、StumbleUponは、技術革新と、ウェブ最大のレコメンデーションサービスになるという目標への注力を継続できる」と付け加えた。
2008年秋、eBayがStumbleUponの売却先探しの支援を受けるために、投資銀行のDeutsche Bankを雇ったとの噂が流れた。
ここで大きな疑問:SkypeもStumbleUponと同じ運命をたどるのだろうか。
この記事は海外CNET Networks発のニュースをシーネットネットワークスジャパン編集部が日本向けに編集したものです。海外CNET Networksの記事へ
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