しかしRoberts氏は、「映画レンタルサービスのNetflixは会員制有料モデルで配信ビジネスをしている。コンテンツにお金を払う素晴らしいサービスだ。インターネットでニュースがコモディティ化、無料化してしまったために、新聞産業は斜陽化している。映像分野はコンテンツ制作側が継続して事業を運営できるように、有料モデルを維持するべきだ」と語り、インターネットの無料配信拡大が有料放送モデルを衰退させ、コンテンツ制作者への資金供給が不足するのではないかという懸念を示した。
インターネット時代の新たなコンテンツ契約の可能性を語ったのは、動画配信サービスVeoh NetworksのCEOであるSteve Mitgang氏だ。彼は「NetFlixがコムキャストと同じようなバンドル放送権料を払えるとは思えない。Newtflix、Veohなどのオンデマンド配信企業は、視聴回数ベースで権利交渉をしている。こうした新たなオンデマンド契約のビジネスが活発化するだろう」と話した。
これに対し、Ronen氏は、「良質なコンテンツを作っていれば、メディアはビジネスモデルを心配する必要はないのではないか」と述べ、メディアよりコンテンツの存在感が増すと予測した。
さらに、現在の動画配信の広告内容について、Ronen氏は「同じドラマを配信しているプラットフォームを見比べると、ドラマがテレビで放送された際のスポンサー広告がどのサイトでも配信されている。インターネットの特性を生かし、視聴行動データを取得しながら、ターゲティングされた広告を配信したほうがよい。そうした工夫をすれば、もっとインターネット広告へ企業の広告予算が流れ込むはずだ」と、ターゲティング広告がコンテンツの無料広告配信モデルを支えるとの見解を述べた。
Ronen氏は競争相手のケーブルテレビについて、「ケーブルテレビは、何年もかけて現在のビジネスモデルを構築してきており、すぐにインターネットに代替されるとは思っていない。少なくても数年はかかるだろう」と述べるにとどめた。同社の戦略については、「2009年はユーザーを増やすことに注力したい。ユーザーベースが増えたところで、2010年にはHulu、NBC.comなどとの提携を実現したい」と語った。
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