博報堂生活総合研究所は4月7日、10年ごとに実施している調査結果を「日本の家族20年変化」として発表した。この調査は、家族に対する意識などを調べたもの。
調査は、1988年8月3日から8月22日、1998年1月8日から2月2日、2008年6月12日から7月7日の3回、それぞれ実施された。首都40km圏(東京都、埼玉県、千葉県、神奈川県)の地域に住む、妻の年齢が20歳から59歳までで夫婦が同居しているサラリーマン世帯を対象とした。
調査結果によると、「家族の絆を強める」ことへの意識が伸びているという。「意識して家族の絆を強めるようなことをするほうがよい」と考えている人の割合は、20年前は夫婦ともに36%から37%とほぼ同じレベルであったが、この20年間で夫は10年ごとに10ポイントずつ上昇し56.0%になった。一方の妻も、1988年から1998年は3.4ポイントの上昇であったが、1998年から2008年の10年間では約10ポイント上昇し、48.5%まで伸びた。夫婦ともに家族を維持しようという意識が高まっているようだ。
「家族の都合よりも自分の都合を優先する方がよい」と答えた人の割合は、夫が1988年の28.3%から2008年には16.8%へと、20年で11.5ポイント低下した。妻も1988年から1998年にかけては、8.9%から10.3%へと上昇したものの、2008年には6.3%へと低下した。夫婦ともに自分よりも家族を優先しようとしている意識が見られる。
毎年恒例の家族の行事やイベントに関する質問では、10年前よりも、子供の誕生日を祝う人が8.0ポイント、夫の誕生日が5.4ポイント、妻の誕生日が8.4ポイント上昇した。さらにクリスマス(84.8%)、父の日(55.7%)、母の日(58.8%)、結婚記念日(42.7%)などを祝う人も多くなっており、家族であることを確認するイベントをする人が増加している。また、家族でテレビを「よく見る」もしくは「見る」と答えた人の割合は91.7%にのぼり、20年前より10ポイント上昇した。家族団らんの場として、お茶の間がまだまだ健在であると博報堂は分析している。
同社では調査結果から、空気のような存在である「安息の場としての家族」を、悩んだり迷ったりしながら、それぞれが何とか維持しようとメンテナンスしているのが、今の日本の家族の現状と分析。家族ならではの心地良さを意識的に保持する「保温家族」へと向かっていると結論づけている。
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