デジタル診療記録市場への取り組みを強化するIT企業が増える中、Dellもその列に加わった。
Dellは米国時間4月6日、病院、医療保険、医療業務を対象とするPerot Systemsとの戦略的提携から、DellのハードウェアとeClincalWorksのソフトウェアを組み合わせた医師向け電子診療記録管理システムの販売に向けたSam's Clubとの提携まで、一連の提携を発表し、医療市場への取り組み強化を明らかにした。
今回の発表は、今週シカゴで開催の医療向け技術展示会の開幕に当たり発表された。米政府が診療記録のデジタル化を促すために数十億ドルの助成金が割り当てられているため、2009年の展示会は特に注目を集めている。
同カンファレンスを開催する医療情報管理システム学会(HIMSS)は年次調査で、病院や大規模医療関係機関にとってIT関連で最も優先度が高いのは電子診療記録とコンピュータ化されたオーダーエントリシステムの導入であることが分かったと述べている。同調査によると、電子診療記録システムを完備した施設を1つ以上保有している機関は、調査を受けた内の半数以下である41%だったという。しかし、これは2年前の32%から増加している。
HIMSSの展示会で話題を提供している大手コンピュータメーカーは、もちろんDellだけではない。Sunは国家医療情報ネットワーク(NHIN)の構築に参加したことを誇示し、Microsoftは患者向け電子診療記録開示システムをニューヨーク長老派教会病院に提供する契約を喧伝している。
Perot Systemsの医療部門担当バイスプレジデントであるChuck Lyles氏は同日行われた記者会見で次のように述べ、Dellとの提携は時宜を得たものだと評価した。
「(電子診療記録を)何らかの形で利用しているのは全体の10%だけだ。この分野は今まさに急拡大しようとしている」(Lyles氏)
Lyles氏は、仮想化を利用すれば病院にある既存のサーバを使って診療記録をデジタル化できるはずだと述べ、病院で使われているほとんどのサーバは全能力の20%程度しか使われていないと指摘した。
この記事は海外CNET Networks発のニュースをシーネットネットワークスジャパン編集部が日本向けに編集したものです。海外CNET Networksの記事へ
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