会社の上司に報告すべき良いニュースがある。
オーストラリアで実施された研究によって、「職場における余暇としてのネット閲覧(Workplace Internet Leisure Browsing:WILB)」をする人々はそれをしない人々より生産性が高いことが明らかになった。同研究の著者であるメルボルン大学のマネジメントおよびマーケティング学部のBrent Coker教授によると、「オフィスにおけるトータルの時間のうち、20%未満という適度な範囲で仕事中に楽しみのためにネットサーフィンをする労働者は、およそ9%だけ生産性が高い」という。
Coker教授は「WILB」が生産性を高める理由として「人々は集中力を取り戻すために、ちょっとの間息抜きをする必要がある。クラスで授業を聞いていたときを思い出してほしい。およそ20分もたつと、集中力が低下したはずだ。しかし休憩をとると、集中力が回復した」と述べた。
ネットサーフィンのような短い休憩で「頭を休めることができ、1日の仕事でより高いトータルの集中力につながる。この結果として生産性が高まる」(Coker教授)
しかし、このことはすべての人にあてはまるわけではない。およそ14%の被験者がネット中毒の徴候を示した。またこれらの被験者は、ネットサーフィンによって生産性が低下する。これらの被験者がネットサーフィンをすればするほど、生産性は低下する。Coker教授はこの理由として、ネットを検索する「衝動」をあげる。「中毒になっていない人々はこの種の衝動を持たず、ご褒美としてネットサーフィンをする」(Coker教授)
この研究によって、調査を受けた300人の労働者のうち70%が「WILB」をしていることが明らかになった。この研究報告は現地時間4月2日にメルボルンで発表されたが、米国ではまだ4月1日だった。Coker教授は電子メールで、これがエイプリルフールの冗談ではないと筆者に保証してくれた。
このオーストラリアでの研究結果が米国やその他の国々にもあてはまるかどうか定かではない。しかし、筆者は同教授の述べることを信じることで、自分の行いを正当化できる1人である。少なくとも、これは素晴らしい言い訳である。とりわけ上司が「WILB」に厳しい場合においては。
一部の読者は賢明にも研究者の計算に疑問を唱えた。同研究の著者からそのままの引用で、筆者は「オフィスにおけるトータルの時間のうち、20%未満という適度な範囲で仕事中に楽しみのためにネットサーフィンをする労働者は、およそ9%だけ生産性が高い」と指摘した。ここで明確でないのは、トータルの労働時間が最大20%少なくなった状態で、9%の生産性の上昇があるのかということである。筆者は同研究の著者にこの疑問を添えた電子メールを送った。回答が得られたらアップデートをする予定である。
この記事は海外CNET Networks発のニュースをシーネットネットワークスジャパン編集部が日本向けに編集したものです。海外CNET Networksの記事へ
CNET Japanの記事を毎朝メールでまとめ読み(無料)
ZDNET×マイクロソフトが贈る特別企画
今、必要な戦略的セキュリティとガバナンス
「程よく明るい」照明がオフィスにもたらす
業務生産性の向上への意外な効果
ものづくりの革新と社会課題の解決
ニコンが描く「人と機械が共創する社会」