Novellは米国時間3月24日、「SUSE Linux Enterprise 11」をリリースした。同製品には、Microsoftの「.NET」で記述されたアプリケーションの実行を可能にする完全なランタイム環境も初めて搭載されている。
オープンソース企業のNovellによると、このデータセンター向けOSの新版は、前バージョンに比べて、相互運用性、ミッションクリティカルなコンピューティング、仮想化の面で改善されているという。
SUSE Linux Enterprise 11における主な強化点の1つは、「Mono Extension」だ。Monoはオープンソースプロジェクトで、C#コンパイラなどの要素を含む、オープンソースの.NET互換プログラミングツールセットの開発を目指している。NovellのEMEA(欧州、中東、アフリカ)地域担当製品ディレクターを務めるHolger Dyroff氏によると、Monoの商業サポートが追加されたことで、SUSE Linux Enterprise 11ユーザーはLinuxプラットフォームに既存の.NETアプリケーションを移行できるようになったという。
「われわれが用意したオンラインツールにより、顧客は.NETアプリケーションをテストして、Mono上で稼働するかどうかを確認できる」と、Dyroff氏は3月24日にZDNet UKに語った。また、「Moonlight」の搭載により、Microsoftのリッチメディア技術「Silverlight」もサポートされている。Moonlightは、Monoプロジェクトが手がける、Linux上でSilverlightを利用できるようにするプラグインだ。
Novellは2003年に開発企業のXimianを買収して以来、Monoを統括してきた。NovellがMonoの商業サポートの提供に時間がかかった理由を聞かれ、Dyroff氏は、実際には少し前からコンサルティング業務の一環で一部の顧客に商業サポートを提供してきたと述べた。
Dyroff氏は、「Monoがエンタープライズ向けに完全に準備が整っていると確信する必要があった」と述べ、Novellが製品の完全サポートを提供できると確信する必要もあったと付け加えた。「機能セットは今や、.NETアプリケーションの大半を十分実行できるほど高性能になった。成功率は変更なしで50%を超えており、Monoを提供する上で大きな前進だ。重要なのは、顧客にある種の約束をする場合、そのことについて精通し、本当にそれが実行できると確信する必要があるということだ」
Monoの拡張機能は、クラスタ製品「High Availability Extension」によって新版のプラットフォームに追加される。Dyroff氏によると、この拡張により、「顧客は高可用性のクラスタ機能を利用してミッションクリティカルな作業を実行できる」という。同氏は、Novellにとって同機能の利点は、UNIX市場からLinuxへの移行をさらに促進できる点だと述べた。
この記事は海外CNET Networks発のニュースをシーネットネットワークスジャパン編集部が日本向けに編集したものです。海外CNET Networksの記事へ
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